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COPDとは?

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 COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、主に喫煙によって生じる肺の病気です。タバコの害といえば「肺がん」をイメージしがちですが、肺がんより圧倒的に患者数が多いのがCOPDなのです。

別名「タバコ病」

 COPDは原因として大気汚染、職業性の粉塵、化学物質の暴露なども指摘されていますが、約9割が受動喫煙も含めた喫煙で、別名「タバコ病」とも呼ばれます。


 COPDにかかると、空気の通り道である気管支が炎症を起こして狭くなったり、酸素を取り込む肺胞の壁が壊れたりします。その結果、動いた時に息切れがしたり、慢性的に咳や痰がからんだりします。

肺以外にも影響

 そうなると苦しさのあまり日常生活の中で階段や坂道を避けるようになりがちに。そのうちに筋力が落ち、さらに軽い動作でも息切れがするようになるなど悪循環に陥ってしまいます。


 厚生労働省の統計では、COPDによる死因は男性の第9位。世界保健機関(WHO)によると、世界では死因の第3位がCOPDです。
 COPD患者数は40歳以上で約530万人、70歳以上で約210万人とされており、決して珍しい病気ではありません。

治療の第一は禁煙

 COPDの治療には運動療法や栄養療法のほか、気管支拡張薬、去痰剤などがありますが、一番重要なのはなんと言っても禁煙です。


 「喫煙が体に悪いのは分かっているけど、なかなかやめられない」「禁煙するとストレスがたまって…」という方もいらっしゃるでしょうが、そんな方には禁煙補助薬を保険適応で処方してもらえる「禁煙外来」を利用するのもお勧めです。 

今日から始めましょう

 COPDと診断されても、禁煙と適切な治療で元気な生活を送っている方も多くいらっしゃいます。さあ、あなたも今日から禁煙を!

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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