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コロナ、第9波に?

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 全国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、現在は第9波に入ったという見方も出ています。

患者数、確実に増加

 コロナは5月に感染症法の位置づけが「2類相当」から「5類」に移行してからは、それまでの全数把握から特定の医療機関あたりの感染者数をカウントする定点把握に変わりました。


 このため実際の感染者の把握は困難ですが、県内の定点把握では9月1日現在20.53人で、医療現場がひっ迫するとされる20人を超えています。実際、当クリニックでも患者さんの受診が目に見えて増えています。

主流はエリス

 現在のコロナウイルスはオミクロン株から派生した新たな変異株「EG・5(通称エリス)」が主流です。毒性は強くないものの、免疫を逃れやすく、感染しやすいとされます。


 急速に感染者数が増えてくれば、重症化率が低くても、基礎疾患のある方、高齢者の方などの入院を要する患者さんの絶対数は増え、病院がさらにひっ迫してくる可能性が出てきます。

20日からワクチン接種

 9月20日からは全世代を対象にコロナワクチンの接種が始まります。基礎疾患がある人や高齢者の方はもちろん、重症化リスクが低くても重症者は増えているため、多くの人に接種が推奨されています。


 ワクチンはオミクロン株に対応したものですが、現在の主流であるエリスにも一定の感染予防効果はあるとされています。期限は来年3月31日までです。

インフルエンザにも注意

 コロナだけでなくインフルエンザも流行の兆しが出ており、今年の冬は2つの敵と戦っていく必要があります。


 対策としては必要な場面でのマスク着用、手洗い、ワクチンなど、個人のおかれている状況に応じて、必要な予防策を講じていきましょう。

さとう花の森呼吸器内科クリニック 院長

佐藤 千紗(さとう ちさ)

山形市生まれ。山形西高から北里大医学部に進み、2006年に同大卒業後に山形済生病院で初期研修医。同病院呼吸器内科、山大附属病院第一内科などを経て22年12月に「さとう花の森呼吸器内科クリニック」を開院。日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医。

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