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内科あれこれ

熱中症と暑さ指数

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 新型コロナウイルス感染症の予防に注意を払うのはもちろん、これからの時期は熱中症にも気をつけたいものです。

熱中症に3段階

 ご存知の方も多いと思いますが、熱中症はその重症度によって3段階に分類されます。
 最も軽い1度の症状としてはめまい、立ちくらみ、大量の発汗、こむら返りなどがみられます。ただ意識はしっかりしており、涼しいところで安静を保ち、水分や塩分の補給に努めれば医療機関を受診する必要はありません。

2~3度は要注意

 2度になると頭痛、吐き気、倦怠感、虚脱感、集中力の低下などがみられるようになります。これらの症状があれば、すぐ医療機関を受診するようにしてください。
 3度はいわゆる「熱射病」で、明らかな意識障害、けいれんなどがみられ、肝臓や腎臓の障害がおこって生命にかかわる状況になります。すぐに救急要請が必要です。

環境省が発表

 熱中症を未然に防ごうと、環境省は2015年から熱中症リスクの目安となる日々の「暑さ指数」をホームページで公表しています。
 指数は気温だけでなく湿度、輻射熱も考慮して算定しており、28度以上だと「厳重警戒」で激しい運動は避ける必要があります。31度以上は「危険」で外出や運動は避けた方がいいとされます。
 素晴らしいのは観測地点(県内は20カ所)ごとの数字のほか、駐車場、交差点、バス停など具体的な場所ごとの数字も予想している点です。

警戒アラートも

 気象庁も連携し、来年からは暑さ指数が33度以上になると予想される場合は「熱中症警戒アラート」が発表されることが決まっています。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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