山形コミュニティ新聞WEB版

内科あれこれ

エコー検査

Share!

 お笑いコンビ「おぎやはぎ」の小木博明さんが、初期の腎細胞がんであることを自ら公表して話題になりましたね。
 一般には発見が困難とされる腎細胞がんをみつけることができたのは、エコー検査を受けたからだったとか。では、そもそもエコー検査とはどんな検査なのでしょうか。

患者負担が少なく

 エコー検査とは身体に超音波を投射し、跳ね返ってくる反射波(エコー)から臓器の状態を調べる検査で、超音波検査とも呼ばれます。
 検査は20分もあればOKで、エックス線を使わないため被ばくの心配もありません。患者さんの負担を軽くできる一方で、様々な臓器を対象に、条件が良ければ数ミリ程度の病変から描出することが可能です。このため現在、ほとんどの診療科で使われています。

ガスがあると困難に

 ただエコー検査には短所もあります。超音波は気体が苦手で、胃や腸にガスがあるとその先は全く見えなくなります。
 また超音波の当たっているところが限られているため、全体が見えているとは限らない点です。例えるなら、真っ暗なところで懐中電灯でボールを探すようなもの。しかもグラウンドのような場所ではなく、光が当たらない森のような場所で。

技師の技量にも左右

 さらに実施する技師の技量、経験などに左右されるという問題もあります。近年は検査機器の進歩によって改善はされてきましたが…。

必要なら受診を

 というわけで、過信は禁物ですし、冒頭の例のように何となく検査するのが良いといちがいには言えません。
 ただ何かの疾患を疑う端緒となる場合も多いことから、必要であれば検査を受けられることをお勧めします。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

記事閲覧ランキング

  • 24時間
  • 週間