山形コミュニティ新聞WEB版

内科あれこれ

高コレステロール血症

Share!

 今回は心筋梗塞の発症リスクになる高コレステロール血症のお話です。

原因は生活習慣に

 高コレステロール血症は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の数値が140mg/dl以上の場合を言います。原因の多くは不規則な食生活や肥満といった生活習慣にあり、高血圧や糖尿病といった他の生活習慣病と同様、治療は食事や運動などが主体になります。
 これらを改善しても数値が180mg/dl以上の場合、初めて内服治療をお勧めすることになります。

リスクに合わせて治療

 実際の治療方針決定はもう少し複雑です。治療目的は心筋梗塞を防止することで、心筋梗塞には発症しやすい危険因子(リスク)があり、これを「低」「中」「高」の3群に分けます。
 分け方は患者さんの年齢、性別、喫煙の有無、血圧値、既往症などを数値化し、その合計点が高いほどリスクが高いと予測するものです。
 そして、それぞれのリスクに合わせて数値をどこまで下げるか(治療目標)を決めるのです。

数値が高くなくても

 ですから、高リスクの人はLDLコレステロール値がさほど高くなくても内服治療が勧められることになります。
 どんな人が高リスクかといえば、肥満気味の中高年で、血圧は高め、善玉コレステロール値が低く父親が心筋梗塞で亡くしている人などは明らかに高リスク群。この場合はLDLコレステロールは120mg/dl未満とすることが望ましいと考えられています。

厳格化を望む声も

 最近はもっと厳格なコントロールを求める声も増えています。これは心筋梗塞で亡くなる方が年々増えていることが影響しています。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

記事閲覧ランキング

  • 24時間
  • 週間