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荒井幸博のシネマつれづれ

ヘルドッグス

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深町秋生さん原作の映画化

 南陽市出身で山辺町在住の作家・深町秋生氏の「ヘルドッグス 地獄の犬たち」を、「関ヶ原」「燃えよ剣」に続き原田眞人監督、岡田准一主演で映画化したクライム・エンタテインメント。

<荒井幸博のシネマつれづれ>ヘルドッグス

 元警官・兼高(岡田)は、愛する人が惨殺されるのを止められなかったことから闇に落ち、復讐に燃える〝狂犬〟と化していた。その腕っぷしの強さを買われ、警察組織から関東最大のヤクザ組織 で凶暴さでは比類のない「東鞘会」への潜入という危険なミッションを強要される。


 兼高の最終ミッションは東鞘会7代目会長・十朱(MIYAVI)の持つ秘密ファイルの奪取。そのためには東鞘会最強の精鋭部隊「ヘルドッグス」の一員になる必要がある。メンバーの中で最も危険な室岡(坂口健太郎)とバディを組み、最強の狂犬コンビとして組織を昇り詰めていく。


 果たして兼高は室岡にも悟られずミッションを完遂できるのか――。

 深町作品のスクリーン登場は、2004年の第3回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞した「果てしなき渇き」を映画化した14年公開の「渇き。」以来。


 アクションで定評のある岡田は本作では主演のほか、「技闘デザイン」の役割も担う。冒頭、兼高と室岡による迫力満点の格闘訓練場面があるが、これは岡田と坂口の実際の訓練そのままなのだろう。岡田の存在によって、格闘アクションでの痛みの伝わり方が半端ない。


 坂口は従来のさわやかなイメージから新境地を開拓した感がある。最高幹部で狂犬コンビのボス土岐を演じた北村一輝、その愛人役の松岡茉優も出色の演技をみせる。


 このほかMIYAVI、大竹しのぶ、吉原光夫、金田哲(はんにゃ)、酒向芳、村上淳、杏子(バービーボーイズ)など皆ハマッていた。

 キャラ、予想不可能なストーリー、究極のアクションがそろった、原田監督の演出冴えるフィルム・ノワール。必見の価値あり!

 

シネマパーソナリティー

荒井あらい 幸博 ゆきひろ

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。


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