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荒井幸博のシネマつれづれ

アイ・アムまきもと

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予期せぬ感動の山形ロケ作品

 阿部サダヲと「舞技Haaaan!!!」の水田伸生監督が4度目のタッグを組み、ほぼ全編山形ロケで製作されたヒューマンドラマ「アイ・アムまきもと」が30日から全国の映画館で公開されます!

<荒井幸博のシネマつれづれ>アイ・アムまきもと

 舞台は日本海に面した地方都市の庄内市。市役所に勤める牧本壮(阿部)の仕事は、人知れず死んだ人を埋葬する「おみおくり係」だった。


 牧本は故人の思いを大切にするあまり、無縁仏として事務的に処理することが出来ず、自ら葬儀を出したり、遺骨を遺族に届けるために勝手に保管したりと、市役所や警察のルールを逸脱してばかりいた。


 そんなある日、県庁から赴任してきた上司が「おみおくり係」の廃止を決定する。

 孤独死した老人・蕪木の埋葬が最後の仕事になった牧本は、部屋を訪れて彼の娘と思しき少女の写真を発見し、少女探しと一人でも多くの参列者を葬儀に呼ぶために奔走する。


 蕪木の知られざる思いと人生を辿っていくうち、47歳独身の牧本の心にも変化が生じ、〝最後のおみおくり〟には思いもよらぬ奇跡が――。

 真面目一途だが、空気が読めずコミュニケーション能力に難ありとして「おみおくり係」という閑職に追いやられた牧本に、思わず感情移入してしまうサラリーマンは少なくないのではないか。

牧本はその実、誰よりも優しさと思いやりを持ち、仕事に取り組んでいたのだ。そんな彼は周囲から高く評価されるべきだし、幸せになって欲しいと願わずにはいられなくなる。

 冒頭に紹介したように、本作はほぼ全編山形ロケ。鳥海山、庄内平野の水田、白鳥、鶴岡市の街並み、酒田市庁舎、そして山形市の山形霊園などでのシーンもあり、山形の良さ、美しさを全国に発信してくれるものと期待したい。


 ほぼ全編山形ロケでアカデミー賞外国語映画賞を受賞した、2008年公開の「おくりびと」以来のヒットの予感が。

 

シネマパーソナリティー

荒井あらい 幸博 ゆきひろ

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。


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