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相続の基礎知識

相続の基礎知識/(09)一次相続と二次相続

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 相続には「一次相続」と「二次相続」があることをご存知ですか?

順番に逝く両親

 相続は一般的に両親の死後に発生します。事故などで2人が同時に亡くなるというケースもありますが、ほとんどの場合はどちらかが先に亡くなり、その後に残された配偶者も亡くなるというケースでしょう。
 その場合、両親のどちらかが先に亡くなって配偶者と子どもが相続するのが一次相続、残された配偶者も亡くなって子どもが相続するのが二次相続です。

一次は配偶者の税額軽減

 一次相続の大きな特徴は、残された配偶者の今後の生活を保証するため、節税効果が大きい「配偶者の税額軽減」が使える点です。
 配偶者の法定相続分は全体の2分の1から4分の3ですが、実際に相続するのがそれ以下の場合、またはそれを超えても1億6千万円以下の場合は、配偶者の税額軽減が適用され相続税はかからないことになります。

二次は基礎控除も減少

 一次相続で配偶者が多めに遺産を引き継いでいれば、その遺産が改めて相続税の対象になります。この二次相続では、残された配偶者が再婚していない限り、当然のことながら配偶者の税額軽減は使えません。
 また相続税の基礎控除は相続の都度、差し引くことができますが、法定相続人の数も1人減るため基礎控除額は減ることになります。
 ちなみに基礎控除額は「3000万円+(法定相続人の数×600万円)」で算出されます。

兄弟間のトラブルにも

 このように、一次相続に比べ二次相続の方が相続税額が増えるということにご留意ください。
 また片方の親が健在の一次相続に比べ、二次相続は兄弟の間で相続財産を巡るトラブルも発生しがちで、事前に専門家に相談することをお勧めします。

鈴木僚税理士事務所 税理士

鈴木 僚(すずき りょう)

1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。

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