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オムライスの名店/「一刻館」が閉店

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 山形市本町で長年にわたって庶民の味として親しまれていた老舗洋食屋「一刻館(いっこくかん)」が1月末、ひっそりと閉店した。

オムライスの名店/「一刻館」が閉店

 店主だった大槻健一さん(77)は宮城県船岡町の出身。香澄町にある現在のホテルサンルート山形の前身の山形東急インで料理長を務めた後に独立、「一刻館」を開いた。昭和61年のことだ。
 「当時は第一勧業銀行(現在のみずほ銀行)や野村證券がすぐ近くにあり、昼時は社員食堂のようににぎわった」と大槻さん。名物メニューはオムライスで、山形市民にとってオムライスといえば一刻館、一刻館といえばオムライスだった。
 だが平成に入り、買い物客が七日町や本町などの中心街から郊外に流出していくのに伴って客足もまばらに。ほとんど1人で店を切り盛りし、できるところまでは続けようと決意していたが、体力の限界には逆らえなかった。
 「山形に永住するつもりはなかったけど、家も建てたし、どこか離れられなかった。(山形に)魅力があったのかな」。今はまだ頭が真っ白だが、落ち着いたら1年ぶりに生まれ故郷に墓参りに行くつもりだという。

オムライスの名店/「一刻館」が閉店

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 山形に押し寄せる都市化の波。それと表裏一体をなすかのように、中心街から櫛(くし)の歯が欠けるように老舗が姿を消していく。
 一昨年は「とんかつタイガー」(七日町)、昨年は中華料理の「ライオン軒」(同)、そして今年の「一刻館」——。

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