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《おしえて!編集長》 葬儀とお墓の最新事情

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 やまコミ編集部員の安斎妙子です。8月のお盆が近づいてきましたね。祖先の霊が帰ってくるとされるこの時期、普段はあまり考えない葬儀のことやお墓の話を編集長に聞いてみました。

 葬儀場、大競争時代に

最近、山形のあちこちで新しい葬儀場ができてませんか?

《おしえて!編集長》 葬儀とお墓の最新事情

 増加率は全国1位!  
 
 「さすが山形東高、よく気がつきました。映画『おくりびと』の米アカデミー賞外国語映画賞受賞を契機に山形銀行が4月にまとめた『山形県 の葬儀業(おくりびとたち)』によると、県内の葬儀業の事業所数は2001年の47カ所から06年には87カ所に増えていて、この間の増加率85・1%は全国1位なんだって」
 
 主戦場は山形市以北
 
 「やまコミでは山銀調査に先立つ06年12月22日号で『葬儀場が相次ぎオープン』って特集を組んでるんだけど、それ以降も凄いペースで建設ラッシュが続いてる。06年時点では山形市内が目立ったけど、最近は天童市、東根市、村山市や河北町と“主戦場”が北上してるのが特徴だ」

それにしても凄いペースですよね。

 都市圏ではすでに一巡   
 
 「裏を返せばそれだけ葬儀場が少なかったということさ。山銀調査の増加率をみると東京13・3%、神奈川2・8%、大阪8・9%と都市圏では低く、葬儀場は一巡していることがわかる」
 「ひと昔前は全国どこでも葬儀といえば自宅やお寺で行うものだったけど、急速に進む核家族化や檀家制度の崩壊で都市圏では自宅やお寺での葬儀が困難になり、代わって登場した葬儀場が主流になっていく」
 
 ブーム、東京では20年前 
 
 「東京で葬儀場の建設が相次いだのは20年ほど前だ。この流れが山形に押し寄せている今の建設ラッシュにつながっていると思われる」 

どうして山形では普及が遅れたんですか?

 山形、最近まで自宅やお寺   
 
 「山形ってホラ、いろんな意味で古い日本がそのまま残ってるところだから(苦笑)。3世代同居率が全国1位で家が広かったり、お寺とのつながりが残ってたりで、つい最近まで自宅やお寺での葬儀が一般的だったようだ。それでも痛痒を感じなかったから葬儀場のニーズが高まらなかったんだろうね」

 押し寄せる都市化の流れ   
 
 「そんな山形でも確実に核家族化は進んでるし、檀家制度だって以前ほど強固じゃなくなってきてる。つまり葬儀場を受け入れる土壌が整ってきたわけだね」
 「となると全国有数の高齢化県だから将来性は十分。それを見込んで葬儀業者が施設を相次いで増やしているという構図だ」 

それが今の建設ラッシュにつながっているわけですね。

《おしえて!編集長》 葬儀とお墓の最新事情

 県外勢も進出   
 
 「競争が激しくなっている大きな要因は北関東で100超の葬祭場を運営するアルファクラブ(さいたま市)のグループ会社のライフアンサージ(郡山市)が05年に山形に進出してきたことかな。同社は矢継ぎ早に6施設をオープンさせ、年内に新たに2施設を加える予定だ」

 迎え撃つ県内勢   
 
 「県内勢は迎え撃つ態勢で、その一番手が山形市では圧倒的なシェアを持つ平安典礼(山形市)。年内時点での施設数は7とライフアンサージの後塵を拝するものの、互助会組織は50年近い歴史を持ち、豊富な資金力を背景に施設内容は他社の追随を許さない」
 「これに『やすらぎホール』を展開するJAグループが絡む。『山形渋谷会館』を運営する山形中央冠婚葬祭互助会(山形市)、上山市と山形市を拠点とする博善社(山形市)などの老舗もサービス向上を競っており、顧客が葬儀場を選ぶ時代になってきた」


 お墓、永代供養が増加

お盆といえばフツーお墓参りですけど、山形でお墓とか霊園とかの最新事情はどうなってるんですか?

 「お墓を買う」の意味は?   
 
 「こちらも核家族化や少子化で過渡期を迎えていて、自分のお墓をどうするかで悩んでいる人が多いみたい。実は俺もなんだけどね(苦笑)」
 「その前に、一般的に『墓を買う』『墓を立てる』っていうとお寺なり霊園なりの土地の一角を買って、そこに墓石を置くっていうイメージだよね。ほとんどの人が土地を買って家を建てるのと同じ感覚でとらえてるみたいだけど、買ったと思ってる土地は自分のものじゃない」

エー、エー、じゃあ何を買ったんですか?

 「無縁墓」になることも   
 
 「その土地の使用権に過ぎない。所有権はないから転売もできない。しかも年間数千円から2万円前後の維持費が必要で、これが一定期間滞ると使用権は消失し、『無縁墓』と判断されてお墓が撤去されてしまうケースもあるんだ」
 
 墓石、購入先にも制限?
 
 「あと、霊園の販売は墓石業者が代行していて、墓石はその業者からしか買えないという指定業者制度があることも意外に知られていない」

ハァ〜、全然知りませんでした。

《おしえて!編集長》 葬儀とお墓の最新事情

  誰が守ってくれるか?   
 
 「で、お墓とか霊園の最新事情なんだけど、さっき言ったように買った後も維持費がかかるので基本的には『お墓を守る人』がいないとお墓は購入できない。でも子どもがいなかったり、一人娘が嫁いじゃったり、息子が東京で家を買っちゃったりとかで悩んでいる人が多いみたいだ」
 
 孫までの保証は…?
 
 「つまり少子化や都市部への人口流出で『お墓を守る人がいない』っていう問題が出てきたわけ。仮に子どもが山形に残ってて『墓は守ってやる』って言ってくれても、孫まで守ってくれるかはわからないものね」

いずれ『無縁墓』になっちゃうわけですね。

 お寺や霊園が管理代行   
 
  「そんな事情から山形でも増え始めているのが『永代供養墓』だ。お寺や霊園がお墓の管理を代行するもので、血縁者が絶えてもお寺や霊園がお盆や春と秋の彼岸時期に法要を営んでくれる」
 「一般的な仕組みは一定期間は骨つぼのまま安置し、その後はほかの遺骨と一緒に葬られる。費用は10万〜200万円と割安で、基本的に年間管理料は必要ない。永代供養塔、永代供養堂なんてのもあるけど、仕組みは同じだ」

やっぱり子どものいない夫婦や一人暮らしの人が利用するケースが多いんですか?

 守る人がいても選ぶ人も   
 
  「基本的にはそうだけど、最近では子どもがいても永代供養墓を選ぶ人が増えてるんだって。墓参りの手間や維持管理で迷惑をかけたくないというのが理由だそうだ」
 
 延暦寺が発祥とか?
 
 「永代供養墓は1980年代後半に比叡山延暦寺が手がけたのが最初とされ、全国的に90年代から急増してる。将来的には間違いなく主流になるはずで、こうした流れが山形にも押し寄せてるわけだね」

ふ〜ん

 「お墓は生前に買っておくのが望ましいっていうし、俺もお盆期間中にじっくり考えてみるか(苦笑)」

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