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JOHNAN(京都府宇治市) 村山市の事業所閉鎖/3月末 従業員93人解雇へ

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 電子機器の製造などを手がけるJOHNAN(京都府宇治市)が村山市にある「デザイン&EMS事業本部東日本事業部」を3月末で閉鎖、従業員98人のほぼ全員を解雇することが分かった。やまコミの取材に対し同社では「山形における主要取引先の海外移転などで決断した」としており、県内では2019年の大沼(山形市)、カルソニックカンセイ山形(寒河江市)以来の大規模な雇用調整が発生することになる。

 JOHNANは国内10、海外4の拠点を持ち、前3月期の売上高は約99億円。金谷工業団地にある村山市の事業部は関東以北では唯一の拠点で、1982年に城南電器工業所山形工場として開設した。

 関係者によれば、村山市への進出は東根市にあるスリーエムジャパンプロダクツ山形事業所から要請を受けたことがきっかけで、現在も同事業所向けの携帯電話向け部品加工が事業の大半を占め、その他に計測器、自動車向けの加工部品などを製造しているという。

 事業部閉鎖はスリーエムや他の納入先が海外シフトを進めていることが原因となった模様。JOHNANによれば、現在の従業員数は98人で、うち5人は他の拠点への配置転換に同意しているが、残る93人は解雇することになるという。解雇者への救済措置としてグループ会社での転職支援や生活応援支援金の支給などを検討している。

 JOHNANの今回の方針に対し、山形労働局では「正式にはまだ聞いていないが、そうなれば19年の大沼の190人、カルソニックカンセイの112人以来の規模になる。失職者の再就職には全力を挙げて支援していきたい」と話す。

 村山市は「かねて噂では聞いていたが、JOHNANから説明を受けたのは2~3日前のこと。数少ない100人規模の事業所閉鎖は市にとっては大きな痛手」と頭を抱えている。

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