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内科あれこれ

コロナ、当院での変遷

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 昨年12月でコロナワクチンの集団接種が終了し、5月からは5類扱いとなったことで、医療現場にいる者の実感としてようやく「コロナは怖い病気ではなくなった」ように感じています。

初登場時はパニックに

 初めてコロナが日本に上陸したのは2020年初頭。著名人が次々と亡くなるなど世情が一種のパニック状態になりました。当院でも、受診控えのためか患者さんがだいぶ減ったことを記憶しています。当初は、コロナが疑われる方には処方のみ行い、重症化しそうな時にはコロナ対策室に電話するように伝えるしかありませんでした。

 同年11月になって開業医でもPCR検査が可能になりました。車の中で唾液を採取してもらって薬を処方し、翌日検査結果を報告する状況が続きました。かなり緊張した日々でしたが、陽性者は月1~3人程度でした。

オミクロン株の登場

 状況が一変したのが22年夏。おそらくオミクロン株に代わってからと思われますが、患者さんが週に10人以上のことが珍しくなくなりました。このため、検査もより手のかからない鼻汁を使用した抗原検査が主体となり、自己検査も導入されました

その後は症状も軽めに

 患者数はその後いったんは減少しますが、5類に移行した直後の6月くらいから再度増え始めました。その数は恐らく過去最高と思われ、印象としては半数以上の方が感染していたのではないでしょうか。

 ただ感染しても症状のない方や、症状があっても検査していない方が相当いらっしゃったはず。現在は患者数も減り、症状も全体的に軽症になってきているようです。 

感染対策は忘れずに

 コロナはまだ収束したわけではありませんが、冒頭に記したように必要以上に怖れず、感染対策を徹底することを心がけましょう。。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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