真理子先生の女性のミカタ
子宮出血とポリープ
子宮出血の原因にポリープがあります。子宮にできるポリープは発生場所によって2種類に分かれます。
子宮頸管ポリープ
一つは「子宮頸管ポリープ」で、子宮の出口付近が盛り上がってくる病気です。ほとんどは良性ですが、稀に悪性のこともあります。ある程度の大きさになると、検診で産婦人科受診を勧められるケースがあります。
心配しすぎることもありませんが、大きさや、性交出血や不正出血といった症状がある場合は外来手術で切除し、悪性でないかどうかを確認します。
子宮内膜ポリープ
もう一つは「子宮内膜ポリープ」で、子宮内膜から増殖して子宮の内側に突出します。炎症やホルモンの影響がある場合もありますが、多くは良性の腫瘍です。
ただ子宮出血が起こりやすく、子宮内腔の表面積が大きくなるため過多月経、過長月経、貧血などにつながりやすくなるほか、受精卵の着床を妨げて妊娠がしづらくなることもあります。
特に閉経後の方や乳がんホルモン治療中の方では悪性の病気が隠れていないか調べることが大切になります。
場合により切除も
その場合、子宮鏡検査で子宮の内腔を眺める検査を行なって診断します。症状がなく、大きさも変わらない場合は経過観察で済むことも。
ただし、閉経後や乳がんホルモン治療中の方は、子宮鏡検査の元で切除して、悪性の心配がないことを確認します。子宮出血の原因と考えられたり、妊娠の妨げになっているかもしれない時には切除を考えます。
診てもらいましょう
不安な子宮出血がある方は、一度産婦人科で診てもらうと安心ですね。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。