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内科あれこれ

帯状疱疹

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 最近、テレビで「帯状疱疹(たいじょうほうしん)ワクチン」のCMが流れはじめていることにお気づきでしょうか?

80歳まで3人に1人が

 帯状疱疹は体に帯状の発疹ができ、チクチク、ピリピリした痛みを伴う疾患で、子どものころに水痘(水ぼうそう)にかかった人が罹患します。
 というのも、水痘が治っても水痘ウイルスは知覚神経に潜伏し続け、疲れやストレス、病気などで免疫力が低下すると今度は帯状疱疹となって発症するからです。50代から発症率は上昇し、80歳までに3人に1人が発症するとされます。

コロナ接種が原因?

 最近になり、コロナワクチンの接種後に帯状疱疹が増えているのではないかという指摘が目立つようになりましたが、まだ確かなことは分かっていません。ただ患者数が徐々に増えていることは間違いないようです。
 考えられるのは、かつては水痘の子どもと接することで大人は免疫を得ていましたが、2014年から水痘ワクチンが乳幼児の定期接種となったことで水痘の子どもが減少している結果、大人が免疫を得る機会も減っていることです。

予防にはワクチン

 テレビCMではありませんが、帯状疱疹の予防にはワクチン接種が有効です。これまでは小児に投与する生ワクチンをそのまま使用していましたが、予防できるのは約6割とされていました。最近では遺伝子組み換えによる不活化ワクチンが登場しており、予防率は9割ともいわれています。

50歳以上で任意接種

 ワクチンは50歳以上が対象で任意接種です。不活化ワクチンは1回20000円以上を1カ月空けて2回打つ必要があり、合計で4~5万円。生ワクチンは1回のみで1万円以下です。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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