急性膀胱炎
冷え込みが厳しくなってきましたが、「寒いのでトイレに行きたくない」と我慢ばかりしていると急性膀胱炎になってしまうことがあります。
細菌が膀胱に侵入
急性膀胱炎は膀胱に細菌が入って炎症を起こす病気で、女性に多いのが特徴です。 主な症状は(1)頻繁に尿意を催す (2)排尿後もスッキリしない残尿感がある (3)排尿中や排尿後に痛みを感じる④血尿が出る――などです。
こうした症状に加え、尿検査で多くの白血球や細菌があれば急性膀胱炎と診断されます。
女性がかかりやすく
女性がかかりやすいのは、細菌は尿道を通って膀胱に侵入しますが、女性の尿道の長さは約4センチで男性の5分の1と短いことが理由です。また細菌は肛門に付着している大腸菌が多く、女性は肛門と尿道口の距離が短いため細菌が侵入しやすくなっているのです。
急性膀胱炎になる原因は様々ですが、我慢して長時間膀胱に尿を溜めてしまうと細菌が繁殖しやすくなります。
このほか不衛生な状態での性交渉や、温水洗浄便座も使い方によっては肛門から細菌を飛び散らせ、尿道口への進入を容易にしてしまいます。
治療は抗生物質で
治療は抗生物質の内服が基本で、きちんと治療すれば細菌は消滅します。排尿時に痛いからと水分摂取を減らすのは逆効果。水分を十分摂って尿量を増やし、膀胱を洗い流す気持ちでしっかり排尿しましょう。
こじらせて細菌が膀胱から腎臓に及ぶと「腎盂腎炎」という病気に発展し、高熱が出たり腎臓がある背中の痛みが起こります。
専門医に相談を
なかなか改善しない場合は他の病気が潜んでいる可能性もあり、専門医に相談してみましょう。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。