山形コミュニティ新聞WEB版

真理子先生の女性のミカタ

子宮筋腫男性もHPVワクチンを

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 これまで何度か取り上げてきたヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頸がんの原因になることが知られていますが、感染するのは女性だけではありません。

男性、各種がんの原因に

 そう、性交渉で感染するウイルスなので、女性だけでなく男性だって感染することもあるのです。
 男性が感染すると、尖圭コンジローマという性器のイボができたり、中咽頭がん、肛門がん、直腸がん、陰茎がんを引き起こすことも分かってきました。

接種費用助成の動き

 このため、HPVへの感染を予防するワクチンは男女区別のない接種が進められているのが世界的な流れです。日本でも2020年12月から9歳以上の男性にもHPV4価ワクチンの接種が認められました。
 日本では接種費用の助成はありませんでしたが、青森県平川市が8月1日から、全国で初めて12~25歳の男性も助成対象にしました。素晴らしい取り組みで、この動きが全国に広がることを期待せずにはいられません。

治療法がない以上は

 現在、HPVを消滅させる薬剤は存在しません。自然消滅することはあるとはいえ、「ピンポン感染」といってパートナーがHPVを持っていたらまた相手から自分に戻ってきてしまいます。
 HPVの治療法がないだけに、女性の子宮頸がん予防に、そして男性も自分のHPV感染予防のため、パートナーのためにも必要な予防注射でしょう。

コンドームの使用を

 これまで何度も申し上げてきたように、妊娠を希望していない方は、性交渉の最初から最後までコンドームの使用が有効です。避妊にもこれが最も大切です。

伊藤真理子先生

真理子レディースクリニック 院長

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。

真理子レディースクリニック

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