真理子先生の女性のミカタ
異常子宮出血
月経ではないのに子宮から出血する状態を「異常子宮出血」と言います。経血量が異常に多い過多月経や、月経周期の異常も異常子宮出血に含まれます。
場合によっては重大な病気が隠れていることもあり、症状があればお近くの産婦人科に相談されることをお勧めします。
妊娠していれば該当せず
妊娠している可能性がある場合の出血は必ずしも異常子宮出血ではありません。月経不順の方などで、本人が妊娠に気づいていないということも少なくありません。また膣や子宮膣部(ちつぶ)などからの出血は異常子宮出血には含まれません。
診療の現場では
診察に際しては一般的に、治療中の病気の有無、抗凝固薬などの服用の有無を確認します。出血開始の時期、出血部位、出血量、痛みなど他の症状が伴っていないかも確かめます。
病気として可能性があるのは、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫(きんしゅ)などの器質性疾患と、排卵障害や凝固異常、子宮内膜機能異常、医原性などの非器質性疾患があります。
最も多い排卵障害
このうち、最も多いのは排卵状態に問題がある排卵障害です。凝固異常なら原因となる病気の有無を調べます。
子宮内膜機能異常は子宮内膜そのものに原因がある場合です。医原性は抗凝固薬の服用がしばしば異常出血の原因になりますが、元々の疾患の治療に服用は必要なため、内服を止めることは難しいとされます。
早めの受診を
異常子宮出血は原因が分かればそれに適した治療が施せます。また出血が長らく続いた場合、重度の貧血につながることも。症状があれば早めに診てもらって安心しましょう。
真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。