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父親の飲酒・喫煙 子どもに影響

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母親の飲酒や喫煙が胎児に悪影響を及ぼすことは知られていますが、父親においても同様なことが言えるようです。

中国・中南大が解析

2020年に中国・中南大の研究チームが先天性心疾患を有する約4万人と有さない約30万人を含む55の研究をメタ解析した結果、妊娠前後3カ月間に飲酒した母親または父親の子どもは、飲酒しない母親または父親の子どもに比べ先天性心疾患リスクがそれぞれ16%、44%上回っていました。
また、母親のアルコール摂取が1日当たり116グラムを超えると子どもの先天性心疾患のリスクは42%増加し、父親で375グラムを超えると47%増加しました。

受精前6カ月は禁酒を

精子形成の時間が約74日であることを考えると、男性は少なくとも受精前6カ月間は飲酒を避けた方が賢明でしょう。

英サウサンプトン大の調査

英・サウサンプトン大の研究チームが今年、875人を対象に遺伝子のDNAメチル化パターンを調べ、母親が妊娠する前の父親の喫煙の影響を探りました。その結果、328人は父親が母親の妊娠より2年以上前に喫煙を開始しており、そのうち64人は喫煙開始年齢が15歳未満でした。

15歳未満で喫煙した父親の子どもには19カ所でDNAメチル化が確認され、喘息(ぜんそく)、肥満、喘鳴(ぜいめい)と関連していることが明らかになりました。19カ所のうち16カ所は母親や当人の喫煙歴と関連性がないものでした。

DNAメチル化とは、遺伝子情報であるDNAにメチル基が結合することで、DNAがメチル化されると、その遺伝子の働きは制御されます。遺伝子配列を変えずに後天的に起きる化学修飾によって遺伝子の働きを調整することになります。

喫煙はわが子に悪影響

15歳未満からの喫煙は将来、自分の子どもの健康障害を引き起こしかねないわけですね。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医、日本腎臓学会認定腎臓専門医。

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