原因がない一次頭痛の中で、最も痛みが激しい頭痛とされるのが群発頭痛です。あまりの痛みから〝自殺頭痛〟とも呼ばれ、心筋梗塞、尿路結石と並び〝三大痛〟の一つとされています。

突然始まり、毎日続く

　群発頭痛は（1）片側の目の周りと目の奥がえぐられるような痛み （2）症状は決まった時間に現れる （3）涙、鼻水、鼻づまり、目の充血、まぶたが腫れて垂れ下がる――などの症状があります。
　１回の頭痛は30分から３時間続き、約１～３カ月間、ほぼ毎日続きます。その後はウソのように症状がおさまるのも特徴です。

診断まで７年！

　頭痛外来での調査報告によると、群発頭痛と診断されるまでには発症から約７年かかり、正しく診断されるまでかかったお医者さんの数は平均4.3名、群発頭痛以外に受けた診断名の数は3.9だそうです。
　涙や鼻水を伴うことから、眼科や耳鼻咽喉科を受診するケースも少なくないようです。

大人の男性だけでなく

　群発頭痛の原因として様々なことが考えられ、飲酒や喫煙、長時間の入浴などとの因果関係も報告されています。また年１回、決まった季節になると症状が現れるというケースが多く、当院でも昨年に群発頭痛と診断した人の頭痛が始まった時期は春と秋で全体の90％を占めます。
　患者は20～40歳代の男性が多く、以前は男性固有の頭痛と言われていましたが、最近では女性の社会進出や喫煙率の高まりなどから性差は少なくなっているようです。

予防療法が大切

　群発頭痛の対処法は、医師に予防薬を処方してもらえば発作の頻度を減らし、症状を緩和することが可能です。
　１度専門医に相談すれば、１年後、２年後の発作時にも同様の対応をしてくれるでしょうから、厄介な頭痛とは長期戦で臨みましょう。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師

佐藤 篤（さとう あつし）

2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。