山形コミュニティ新聞WEB版

脳の四方山話

脳梗塞の早期発見には

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 脳梗塞(のうこうそく)は早期発見・早期治療が大切です。では脳梗塞を早期に発見するために、見落としてはならないサインにはどんなものがあるのでしょうか?

FASTとは

 脳梗塞を早期に発見するためのキャッチフレーズに「FAST(ファスト)」というものがあります。

 FはFaceで「顔のゆがみ」、AはArmで「片方の手の麻痺」、SはSpeechで「呂律(ろ れつ)が回らない」、TはTimeで「発症時間を確認する」「迅速(じんそく)に行動する」を指します。

 脳梗塞は脳のどの部位が障害を受けているかによって症状に差が出ます。このため「FAST」のどれか一つでも該当するものがあれば脳梗塞を疑いましょう。

BE-FASTも

 FASTに加え、「BE-FAST」というキャッチフレーズもあります。これはFASTの4つのサインにBalanceの「歩行障害」「平衡感覚」とEyesの「片方の視野が欠ける」「物が二重に見える」を加えたものです。

 米国の学会誌「Stroke」の報告によれば、FASTで発見できなかった脳梗塞患者が14.1%いたのに対し、BE-FASTでは発見できなかった患者は4.4%まで減少したとか。

大切な早期発見・治療

 「脳梗塞は怖いけど、この程度の症状で病院に行ってもいいのかな」とか「気になる症状があるけど、仕事が忙しいから今度にしよう」などと受診を先延ばしにしている方もいらっしゃることでしょう。

 ですが、脳梗塞は早期に発見できれば治療の選択肢も広がります。繰り返しになりますが、早期発見・早期治療が何より大切です。

症状あればすぐに

 覚えておいていただきたいのは、FASTやBE-FASTの症状があればFAST(早く)病院に行くことです。

ミロク脳神経リハビリクリニック 院長

齋藤 佑規(さいとう ゆうき)

1980年(昭和55年)酒田市生まれ。酒田東高から山形大医学部に進み、脳外科医として山大医学部付属病院、山形済生病院などでの勤務を経て2023年9月にミロク脳神経リハビリクリニックを開業。日本脳神経外科学会専門医・日本リハビリテーション医学会専門医。

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