山形コミュニティ新聞WEB版

真理子先生の女性のミカタ

子宮頸がんワクチン

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 昨年11月、高校1年のお嬢様のご自宅に山形市から1通の封書が届きました。内容は子宮頸がんワクチンに関するものでした。これは何を意味しているのでしょうか。

2013年の出来事

 子宮頸がんワクチンは文字通り子宮頸がんを予防するワクチンです。
 2013年4月から小学6年~高校1年の女子を対象に全国で無料の定期接種が始まりましたが、副作用を訴える報告があったことから、厚生労働省は2カ月後の6月、自治体に対し接種対象者への案内など積極勧奨を控えるよう通達した経緯があります。

現状のひずみ

 その結果、ひところ70%だった接種率は今では1%台に。ワクチンは世界保健機関(WHO)も推奨しており、先進国の中で日本の接種率が異常に低いという状態が続いています。
 一方、その後の研究でワクチンと副作用との因果関係は認められないとの報告も増えています。

厚労省が方針転換?

 こうした現状を鑑みたのか、厚労省は昨年10月9日、ワクチンのリーフレットを改定し、ワクチンの有効性などの情報を対象者に個別に提供するよう自治体に呼びかけたのです。
 厚労省は「希望すれば接種できることを知らせるためで、積極勧奨には当たらない」とのスタンスのようですが、山形市は厚労省の“方針転換〝にいち早く対応したということでしょう。

2回だけでも無料で

 ただ、ワクチンが効果を発揮するには3回の接種が必要で、かつ2カ月の間隔を空けなければなりません。
 高1のお嬢様の場合、1月に最初の接種を受けても3回目の接種は高2に進級されている4月以降になりますので、無料の定期接種の対象にならないのは残念です。
 それでも2回だけでも無料です。貴重なこの機会を、どうかお見逃しのないように。

伊藤真理子先生

真理子レディースクリニック 院長

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。

真理子レディースクリニック

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