山形コミュニティ新聞WEB版

内科あれこれ

胆石の話

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 今回の主題である胆石とは文字通り、胆のうにできた結石のことです。

原因は食生活に

 胆のうは、肝臓でつくられた胆汁という消化液を溜めておく調整池のようなところで、食物が十二指腸に入ってくると縮んで胆汁を十二指腸に流します。胆汁は脂質やビタミンの吸収などに作用するほか、肝臓で処理された不要な物質を排泄する役割も果たします。
 胆汁の主成分はコレステロールですが、脂質の過剰摂取などを続けていると胆汁のコレステロール値も上昇、結晶化して胆のうの中で結石になってしまうのが胆石です。

症状と診断

 胆石があっても無症状であることが大半ですが、右のあばらの下の痛み(右季肋部痛・みぎきろくぶつう)、発熱、黄だんなどが生じることがあります。胆石があっても無症状であることが大半ですが、右のあばらの下の痛み(右季肋部痛・みぎきろくぶつう)、発熱、黄だんなどが生じることがあります。
 胆石の診断には腹部超音波検査(エコー)が用いられ、無症状でも胆石の有無が容易に診断できるようになっています。

無症状なら経過観察

 治療ですが、無症状なら経過観察にとどめるのが一般的です。胆石の多くは一生発作を起こさず、胆のうがんにつながるケースも少ないことが分かってきたからです。

発作があれば手術

 ただ、痛みの発作があれば手術も選択肢です。やり方のひとつは鏡視下手術で、お腹に小さな穴をあけ、そこから内視鏡を入れて胆のうを取り除きます。大きな傷を残さずに済むのが特徴です。
 胃カメラに代表される消化管内視鏡による手術もあります。胆管の出口は十二指腸の半ばにあり、ここから造影剤を入れたり結石を取り除く機材を入れたりして胆管の結石を取り除きます。
 症状がある方は一度は腹部エコーを受けてみてはどうでしょう。

きくち内科医院 院長

菊地 義文(きくち よしふみ)

1985年(昭和60年)東北大学医学部卒業。同大医学部第三内科を経て96年に山形市立病院済生館へ。2013年4月に「きくち内科医院」開院。

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