近視抑制は早期に
近視は、子どものうちにできるだけ進行を抑えることが大切です。なぜでしょうか?
近視は万病の元に
それは、近視が進行すると様々な目の病気のリスクが高まるからです。目の病気とは具体的には緑内障、網膜剥離(もうまくはくり)、近視性黄斑変性(おうはんへんせい)などで、近視の進行とこれらの目の病気とは相関関係があることは国内外の調査で明らかになっています。
このうち緑内障はこれまでに何度か取り上げてきているように、日本人の失明原因の第1位で、60歳以上の10人に1人の頻度で発症します。患者さんの中には、子どものころに近視の進行を抑えられていれば発症を防げたはずの人もいるはずです。
子どものうちに対処を
近視は5~15歳の間に進行しやすく、いったん進行してしまうと治すのは容易ではありません。
その後は将来の病気のリスクを抱えた状態になってしまうので、進行を止められる子どものうちに対処することの重要性が叫ばれているのです。
進行を防ぐには

進行抑制のため大切なことは、まず本や端末を近い距離で長時間見続けないことです。具体的には対象物を30センチより近づいて見ないようにすること、30分に一度は遠くを見て目を休めましょう。
また屋外で過ごす時間を増やすことも有効です。最近では、太陽光に含まれる特定の波長が近視の進行抑制と関連しているという報告もあります。
「それでも近視が進む」「近視は親からの遺伝だから」といった場合などは、自費診療ですが近視進行を抑制する点眼などもあります。
眼科医に相談を
まずは眼科診断でお子様の視力低下が指摘された場合は、放置しないでお近くの眼科を受診してみてください。

金井たかはし眼科 院長
高橋 義徳(たかはし よしのり)
1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。
