税金の基礎知識
税金の基礎知識/(14)所得税と住民税の税制改正
前回、前々回と所得税と住民税の計算方法の違いなどを解説しましたが、そもそも前者は「国税」で、後者は「地方税」という基本的な違いがあります。
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2025年度の税制改正の注目点は国税である所得税の″年収103万円の壁〟の撤廃で、所得税の非課税枠は103万円が123万円に引き上げられることになりました。
一方で地方税である住民税の非課税枠は改正されないまま。「なぜ所得税だけの改正なの?」と訝(いぶか)しく思う方もいらっしゃるかもしれませんが、税制改正は簡単に決められるものではなく、財政に与える影響をよく考え、別の財源を確保するなどの措置も必要です。

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特に地方税は地方自治体の約3割を占める財源で、税収減少は公共サービスに支障をきたす恐れもあります。
今回の国会での長い議論でもお分かりの通り、税制改正は慎重に進める必要があります。

鈴木僚税理士事務所 税理士
鈴木 僚(すずき りょう)
1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。
