山形コミュニティ新聞WEB版

あなたの目 健康ですか?

近視

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 学校健診も終わり、お子さんが近視を指摘されたという方もいらっしゃるでしょう。

みかけの近視も

 最初にお話しておくと、近視には、みかけの近視と本当の近視が混在しています。

 みかけの近視は偽近視、仮性近視とも呼ばれ、その名前の通り本当の近視ではありません。テレビやパソコン、スマホなどで目を酷使した場合など、目の調節筋が緊張して一時的に視力が低下した状態です。

 みかけの近視は点眼薬で調節筋の緊張をとれば視力は回復します。

本当の近視

 これに対し、本当の近視は眼軸(がんじく)が前後に長くなった状態で、点眼薬を使っても視力は回復しません。視力を正常な状態に戻すには眼鏡またはコンタクトで矯正する必要があります。

 眼軸が前後に長くなると神経や血管が引き延ばされてしまうため、近視が強くなると将来的に緑内障や網膜剥離(もうまくはくり)などの発症リスクが高まってしまいます。

 そのため本当の近視の場合は近視を進行させないことが大切です。

生活習慣に注意を

 近視の進行には遺伝的影響と環境からの影響があります。両親のうちどちらかが近視の程度が強い場合には遺伝的影響が考えられます。環境からの影響を受けないためには環境、つまり生活習慣に注意が必要です。

 近視を防ぐ・進行させないための生活習慣は「近づいて長時間みないこと」「外で過ごす時間を増やすこと」です。

近年の近視治療

 近視治療は日本では保険適用外の自費診療になりますが、近年は低濃度アトロピン点眼薬や、特殊なコンタクトレンズを睡眠時に装着する「オルソケラトロジー」など選択肢も広がっています。

金井たかはし眼科 院長

高橋 義徳(たかはし よしのり)

1990年山形大学医学部卒業後、同大学眼科講師、ウプサラ大学留学を経て2007年10月に金井たかはし眼科を開院。日本眼科学会専門医。山形県眼科医会理事。

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