Let´s know 脳!/マスクと頭痛

2021年1月8日
 新型コロナへの感染防止のためマスク着用が日常化していますが、マスクをすることで頭痛が増えるという相談が多く寄せられています。

マスクのゴムが曲者

 要因として考えられるのは主に2つ。1つはマスクのゴムがこめかみを締め付け、あごや首の筋肉に負担がかかることです。
 国際頭痛分類でいうところの「頭蓋外からの牽引による頭痛」で、ハチマキやきつめの帽子をかぶった時に起きる頭痛と同じです。

Let´s know 脳!/マスクと頭痛

CO2の吸いすぎも

 2つ目は、マスクを使用していると自分の吐いた息をすぐに吸うことになるため、二酸化炭素(CO2)が多い空気を吸うことになります。ちなみに空気中のCO2濃度は約0.03%ですが、呼気中に含まれるCO2濃度は約4%と100倍以上です。
 このことにより、血管が拡張→脳圧が上昇→脳全体に持続性の鈍い痛みが起こる、という機序が生じてしまうのです。

約80%の人が発症

 コロナ防止でマスクは有用ですが、長時間にわたるマスク着用は頭痛持ちの方には発症の強い誘因になります。頭痛持ちではない人でも“マスク頭痛”は起こりえます。
 コロナ流行以後の医療者を対象とした研究では約80%の人が新たに頭痛を発症し、1日4時間以上のマスクやゴーグルの使用が頭痛を引き起こしたと報告されています。

適宜、マスクを外す

 対処法ですが、1人でいる時など感染の可能性がない場所では、マスクを外すことでマスクによる持続的な圧迫を軽減したり、新鮮な空気を吸うことでCO2濃度を低下させることができます。
 また、厚生労働省が推奨しているように、30~60分に1回、4~5分程度の部屋の換気をすることも、頭痛の予防には有効と考えられます。
 それでも頭痛が収まらないという人はかかりつけ医に相談して、対策を講じましょう。


Let´s know 脳!/マスクと頭痛
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TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤
(さとう・あつし)2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。