エツキ(村山市)

2007年6月8日
 エツキは村山市を代表する元気な製造業だ。2005年(平成17年)にはコンパクト液体充填機の開発で「ゆとり都山形イノベーション大賞」も受賞している。
エツキ(村山市)

スタートはフライス加工

 昭和42年に早坂悦男社長がフライス加工をメインとする個人企業の「早坂製作所」を創業。その後、株式会社化した際に社長の名前の一文字を入れた「悦機」に、平成3年には「エツキ」に社名変更して現在に至る。
 整理整頓の行き届いた工場内には、印刷機械のメカ系ユニット部品から工作機械や充填機械等の自社製品が並んでいる。この40年間、高技術化・高付加価値化を進めてきたことが見て取れる。

エツキ(村山市)

職人技のキサゲ

 同社の武器の一つに「キサゲ」という平面度を出すための職人技がある。定盤と呼ばれる基準板と比較しながら、削って平面度を少しずつ出していく根気のいる作業だ。これをいとわない職人が揃っているのが同社の強みになっている。
 シビアな平面度を要求される工作機械を自社商品として品ぞろえしていることもあって、様々な製造技術が社内に蓄積されているのに驚かされる。
工場はまた、分業しやすい流れ作業の仕事がほとんど無いため、新卒で採用した正社員を育てながら技能レベルを向上させていく方針だ。
 高校や大学からはインターンシップの形で実習学生を受け入れているが、中には同社に惚れ込み入社を希望する実習学生もいるという。定着率も良好な状態で推移するなど、職人企業としての基礎は確立されている。

開発力強化に注力

 現在は主力のメカ系ユニット部品の受託生産事業に加えて開発力を強化し、自社商品を新事業の柱として育成中だ。
 自社商品の一例として、先に述べた通り汎用フライス盤等の工作機械を製造販売している。同社の工作機械はコンピュータのついていないシンプルなものだ。
 最近は制御用コンピュータがついたNCマシンが工作機械市場では主流になっている。だが自動車のマニュアル車がなくならないように、いまだに昔ながらのコンピュータのついていない汎用工作機械にも需要がある。中小企業としての小回りをきかせながら、こうした成熟市場をガッチリ押さえている。
 キサゲ等の製造技術が蓄積されていることに加えて、工作機械に付属する工具交換機やパレット交換機を受託生産した経験もあり、工作機械の周辺技術から部品の調達までを熟知していることが同社を特徴づけている。

エツキ(村山市)

充填機で県内独走

 工作機械とならぶ自社商品の代表格が食品産業や医薬品産業のための充填機である。調味料、飲料といった液状の品物からクリーム状の品物までをボトルに詰め、キャッパーでフタをするシステムだ。
 山形県には食品製造の実力派企業が集積しているが、同社のように食品機械を供給できる企業は少ない。産業集積という観点では地域にとり重要な存在と言えるだろう。

域外企業との連携カギ

 また食品機械分野は技術と市場が共に成熟している。中小企業としての小回りをきかせた地域需要への対応、あるいは地域外の企業と連携した新分野進出が今後のカギを握るだろう。
 大市場において連携相手を発掘し、さらにはサポートを通じた顧客満足を確保していく。ここが新事業を伸ばす上での生命線と言えよう。

■株式会社エツキ
・社長 早坂悦男氏
・所在地 村山市稲下1403-1
・創立 1973年(昭和48年)
・資本金 8640万円
・売上高 28億円
・従業員 134人
・事業内容 各種自動化専用機・産業機械の製造販売