マイスター(寒河江市)

2006年10月27日
独自研削技術に磨き
マイスター(寒河江市)

 寒河江市のマイスターは切削工具の再研削などの刃研事業、治工具部品などの製造事業が二本柱の個性派企業だ。コアになっている技術は「研削」、つまり刃物などを研ぐ技術である。

新品の切れ味を実現

 刃研事業は磨耗したエンドミルやドリルを研ぎ直して「新品同様の切れ味」にする。治工具部品製造事業では、電子デバイス工場などで用いられる精密な工具や取り付け台の部品を供給する。両事業に共通しているのは研削技術を駆使し、消耗品を再生させることで顧客のコストダウンに貢献している点だ。
 顧客が望む形状の切削工具を一から製作するようなきめ細かいサービスも行っている。

地域ニーズに対応

 近隣工場に対する「ご用聞き」を徹底し、泥臭く地域のニーズに応えているのが同社の特徴だ。
 顧客である地域製造業との共存共栄を唱え、その盛衰がリスクといえばリスクだが、堅実な事業構造を確立しているといえるだろう。
 かつて私が他地域で実施した調査では、高技術で多品種少量の仕事をこなす「工業周辺サービス」には、目立たないものの、収益性と成長性に富んでいるケースが多々見られた。
 このタイプのビジネスの基礎となる論理は「地域ドミナント」、すなわち商圏と定めた地域の顧客を確実に押さえ、その顧客の多様なニーズに対応するというものだ。単価の値引き圧力の強い量産仕事には手を出さないので、サービスメニュー展開によっては収益性と成長性が両立される。

マイスター(寒河江市)
環境マネジメント推進

 マイスターは経営方針が堅実であり、技能工の資格取得や学習を応援している。女性技能工を積極的に登用・育成するなど、人事戦略は先進的だ。
 またエコアクション21の認証を受け、環境マネジメントを積極的に推進している点でも優れた企業と言えよう。

サービス開発がカギ

 マイスターのビジネスモデルは<1>商圏内の地域ドミナントの徹底<2>サービスメニューの拡大とメニュー間の連携<3>顧客企業の社内業務撤退の引き受け——の3パターンの組み合わせにある。
 地域内の産業との共存共栄を貫き、顧客の工場のより深奥部に食い込んでサービスメニュー開発をしていく道を邁進(まいしん)すればさらに業績が伸びる企業と思われる。

■株式会社マイスター
・社長 高井作氏
・所在地 寒河江市字中河原127‐1
・創立 1976年
・資本金 2000万円
・売上高 7億2000万円
・従業員 48人
・事業内容 切削工具加工、精密冶工具加工