もう怖くない認知症/認知症への理解

2010年6月11日
 これまで述べてきましたように、認知症患者さんへの対応には認知症の正しい理解が必要です。

むやみな薬物療法はNG

 なぜ問題行動と呼ばれる周辺症状が現れるのかを理解せず、ただ表面的な症状に合わせて使用すべきでない抗精神病薬をやみくもに投与することはNGです。しかも患者さんのためを思って投与するのではなく、看護・介護者の負担軽減のために危険な薬を投与するなど言語道断です。
 患者さんが抱える不安や恐怖やストレスを理解し、かつ高齢者なら老年病としてこれらをとらえ、精神面や身体面の予備能力の低下にも細心の注意が必要です。

もう怖くない認知症/認知症への理解

有効な海蛸の摂取

 以前、東北大学加齢医学研究所老年科の荒井啓行教授が海産動物の海蛸(ホヤ)に含まれるプラズマローゲンという物質を摂取すると認知症の予防になることを報告しました。ホヤはアルファベットで表記するとH0YA。これになぞらえて認知症の患者さんへの対処法をお話します。
 
「HOYA」を忘れずに

 まずH。「誉めること」です。患者さんのどんなことでもいいので誉めてあげることを心がけましょう。
 次にO。「お願いすること」です。何かする時はお願いしますといってさせてもらいましょう。
 そしてY。「喜ばせること」です。いろんな場面で感謝を込めて喜ばせて下さい。
 最後にA。「安心させること」です。患者さんが安心すれば介護者も安心し、良い相互関係ができて確実に患者さんの問題行動は軽減します。
 
御愛読に感謝です

 常にHOYAを心がけて認知症の患者さんに寄り添うことをお勧めし、本稿を終了させていただきます。


もう怖くない認知症/認知症への理解
藤井 昌彦(ふじい・まさひこ)
1983年弘前大学医学部卒業。山形県立河北病院などに勤務後、99年に医療法人東北医療福祉会理事長。日本老年医学会、日本認知症ケア学会に所属。東北大学医学部臨床教授も務める。