泌尿器講座/膀胱炎の話

2022年6月24日
 大半の膀胱炎(ぼうこうえん)は膀胱に侵入した大腸菌などの腸内細菌が増殖し、膀胱の粘膜に炎症が起こる細菌性膀胱炎です。女性に多く発症するのは、女性の尿道が短く、細菌が膀胱に入りやすいからです。

膀胱炎の症状

 症状は、排尿時や排尿後に下腹部や尿道の出口付近が痛む排尿時痛、排尿後も出し切った感じがしない残尿感、すぐに排尿したくなる頻尿(ひんにょう)、尿が濁ったり匂いが強くなる尿混濁(にょうこんだく)、尿が赤くなったりする血尿などです。
 膀胱炎で38度を超えるような発熱の症状はありませんが、発熱がみられる場合は腎盂腎炎(じんうじんえん)を合併している可能性があり、炎症反応をみるため血液検査が必要になります。

泌尿器講座/膀胱炎の話

膀胱炎の診断と治療

 診断は通常の尿検査で可能です。排尿困難感や残尿感が強い場合は、排尿後の膀胱をエコーで観察すると残尿があるかどうかで排尿障害の有無が確認できます。
 治療は抗生物質の内服ですが、その前に「尿培養(にょうばいよう)検査」を行います。この検査結果で膀胱炎の原因菌が特定できるほか、原因菌に対して有効な抗生物質を探します。
 処方された抗生物質はアレルギーなどがない限り原則として飲み切ることが大切です。症状が改善したからといって途中でやめてしまうと細菌が再び増加し、症状が再発してしまいます。

膀胱炎でないケースも

 膀胱炎でみられる諸症状は、膀胱炎でない病気でもたびたび起こり得ます。過活動膀胱や下部尿管結石、前立腺肥大症や前立腺炎、膀胱がんが原因のこともあります。
 膀胱痛が改善しない場合、まれに間質性膀胱炎のことがあります。間質性膀胱炎は、膀胱に原因不明の慢性炎症が起こり、それによって頻尿や膀胱・尿道の違和感や痛みが続く難病です。

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いしい腎泌尿器科クリニック院長
いしい腎泌尿器科クリニック院長 石井 達矢
(いしい・たつや)1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。同大附属病院、市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て2020年5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士、日本泌尿器科学会認定専門医・指導医、日本医師会認定産業医。