保険の基礎知識
保険の基礎知識/No.03 出産手当金
今回は社会保険に加入している人が出産時に受け取れる「出産手当金」のお話です。
産前産後期間中に支給
出産手当金は、出産のために会社を休み、会社から報酬が受けられない時に健康保険から支給されます。
その期間は出産日(実際の出産が予定日後の時は出産予定日)の42日前(双子以上の場合は98日前)から出産後56日目までの産前産後休業の期間です。
出産が予定日より遅れた場合でも実際に出産した日まで支給され、出産後も同様に56日目までの範囲で支給されます。
ただ、休んだ期間に出産手当金よりも多い報酬が得られる場合は出産手当金は支給されません。
給与の3分の2相当額
出産手当金の額は、休む前の給与を日給換算した額の3分の2です。
例えば、休む前の給与が月額26万円だった場合、日給換算した額は26万円÷30日で8670円。その3分の2ですから5780円。予定日通りの出産なら5780円×98日(42日+56日)で計約56万6440円が支給されることになります(10円未満四捨五入)。
休んだ期間に給与の支払いがあっても、その給与の日額が出産手当金の日額より少ない場合は、出産手当金と差額が支給されます。
退職後もOKの場合
次の2点を満たしている場合には退職後も引き続き出産手当金の支給を受けることができます。
それは(1)社会保険の資格を有していた方が退職日までに継続して1年以上の社会保険加入期間があること(2)退職時に出産手当金を受けているか、または受ける条件を満たしていること――です。
勤務先に確認・相談を
細かい注意点や、国保組合などは独自の給付制度で上記と異なる場合もありますので、まずは勤務先に確認・相談されることをお勧めします。
社会保険労務士
中嶋 英統(なかじま ひでのり)
1988年(昭和63年)山形市生まれ。2010年に社会保険労務士資格取得。趣味は健康管理。