税金の基礎知識
税金の基礎知識/(17)消費税(3)
前回、消費税はすべての取引(物品の販売やサービスの提供等)にかかるものではないとお話しました。
輸出用商品や国際輸送など、国外で消費される取引もその1つ。そもそも消費税は「国内での消費」を対象とする税金であるため、外国での消費には課税しないという国際的なルールに基づくもので、「輸出免税」(税率0%)と呼ばれています。

例えば、自動車メーカーが輸出する車の消費税は「免税」。さらに、自動車を作る原材料等にかかる消費税が「還付」される制度もあり、いずれも国際市場における日本製品の価格競争力に寄与しています。
また、社会政策的な配慮により、消費税が課税されないと定められているのが、土地の譲渡、医療費、住宅の家賃などで、これらは「非課税取引」と呼ばれます。
例えば、不動産会社が運営するアパートの家賃にかかる消費税は「非課税」。ただし、アパートの建設や補修にかかった消費税は、原則として還付されることはありません。
事業者ともなると、消費税の額も大きく、これらのルールが会社の成長や資金繰りに大きな影響を及ぼします。

鈴木僚税理士事務所 税理士
鈴木 僚(すずき りょう)
1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。
