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《おしえて!編集長》 今さら聞けない、「お盆」って

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 夏休みシーズンに入り、山形でも首都圏などから帰省した若者たちが目につくようになりました。夏休みの若者に加え、ふるさとで墓参りという人たちで山形が最も活気に溢れるのが8月15日前後の「お盆」時期。でも、ちょっと待って。実はワタシ、詳しく「お盆」って知らないんでしたっけ。そこで恒例の、教えて編集長!

《おしえて!編集長》 今さら聞けない、「お盆」って

実は「お盆」と「お彼岸」の区別がよくわからないんですけど…。

彼岸、起源は浄土思想

 「……。『お彼岸』は第35号でも紹介しただろ。『春彼岸』と『秋彼岸』があって、それぞれ春分の日と秋分の日をはさんで前の3日と後の3日の計7日間にわたって営まれる法要のこと」
 「起源は平安時代に広がった浄土思想で、浄土思想では『西方浄土』という言葉があるように極楽浄土は西にあるとされたんだ。タエちゃん、東高でも習ったはずなんだけど、春分の日と秋分の日は太陽は真西に沈むだろ」

日本独自の風習 

「1年に2回のこの時期を定め、極楽浄土や先祖に思いを馳せてお墓参りをする風習がお彼岸。仏教行事だけど古くからの農耕文化と融合した日本だけの風習で、インドや中国にはないらしい」

ヘー、ヘーヘー。で、「お盆」なんですけど。

《おしえて!編集長》 今さら聞けない、「お盆」って

正式名称は「盂蘭盆会」

 「お盆の正式名称は『盂蘭盆会(うらぼんえ)』。インド・サンスクリット語の『ウラバンナ(=逆さ吊り)』を漢字で音写したもので、もともとは逆さ吊りされているような苦しい目にあっている人を救う仏教行事。インドで始まり、中国を経て日本に渡来したとされてる」

祖先の霊が戻る

 「日本で行われているお盆の行事は、各地の風習や宗派の違いがあって様々なんだけど、祖先の霊が帰ってくるという考え方でほぼ一致している。お盆の期間中は祖先の霊と一緒に過ごすってわけだ」

東京は7月、地方は8月

 「その時期なんだけど、もともとは7月13日から16日までの4日間。でも旧暦に基づく7月盆が残っているのは東京都などごく一部で、大半は8月13日から16日までの『月遅れ盆』。山形もそうだよね」

どうして東京が7月で、地方は8月なんですか?

夏休みを兼ねる

 「いい質問だね。お盆の基本的な考え方は、親戚や縁者が一堂に会して祖先の霊を迎えることにある。東京と地方が一緒だと集まりにくいよね。俺も東京でサラリーマン長くやってたけど、周囲のヤツはお盆での里帰りを理由に夏休みとってて、あれがガス抜きになってた感じだね」
 「7月中旬といえば農家にとっては収穫とかで最も忙しい時期に当たる。それやこれやで地方では月遅れ盆が定着していったんだろうな」

《おしえて!編集長》 今さら聞けない、「お盆」って

お盆は祖先の霊が帰ってくるっていうお話ですけど、だとしたら幼稚園児じゃないけど、迎えに行かなきゃですね。

キュウリの馬とナスの牛

 「多くの地方では祖先の霊を迎える『精霊棚(しょうりょうだな)』を作る。精霊棚にはいろんなものを配置するんだけど、よく知られてるのが割りばしで足をつけたキュウリとナス」
 「キュウリは馬、ナスは牛に見立てられ、祖先の霊が馬に乗って早く来きて、あの世に帰る時は牛に引かれてゆっくりと、といった願いを込めてるらしい」

「迎え火」でお出迎え

 「で、お迎えなんだけど、13日の夕方に家族でお墓参りに行き、仏前の火を提灯の中に入れて灯火で霊を家まで導くのが全国的な風習。これを『迎え火』という」

《おしえて!編集長》 今さら聞けない、「お盆」って

私も子どものころ、お墓参りが終わって家に帰る時にホタルがついてきて、親から「ホラ、ご先祖様が来た」なんて言われて怖い思いをした記憶があります。

 「いい話だね。お迎えしたら今度はお見送り。16日に麻の皮を剥いだ後に残る芯の部分の「オガラ」を門前で炊く『送り火』が広く行われているようだ。京都の夜を彩る有名な大文字焼き(写真)は、この送り火の名残りとされてる」

さすが編集長、何でも知ってるんですね。

「お盆なし」の浄土真宗

 「エヘン。でも俺、お盆の風習とまったく縁がないの。っていうのも俺の実家は浄土真宗で、浄土真宗は宗派の教えとしてお盆の行事はやらないらしい。死んだら全員が極楽浄土にいけるらしくて、ウラバンナ=逆さ吊りにされるなんてことはないんだってさ」

エー、編集長、地獄におちるんじゃないんですかぁ

「歎異抄」・・・。

 「高校で習っただろ、『善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや』って(苦笑)」

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