五感の男女差(3)
聴覚の敏感さは、振動数が一定の音(純音)をどのくらい小さい音量まで聞き分けられるかで決まりますが、一般に女性の方が男性より聴覚が鋭い傾向にあります。
聴覚に優れる女性
米アリゾナ大の研究グループは、男女の赤ちゃんに話し言葉を理解するうえで重要な1500ヘルツ音を流すと、女の赤ちゃんは男の赤ちゃんより反応が約80%も大きいことを報告しました。
特に話し言葉の識別に重要な1000~4000ヘルツの範囲の音に敏感でした。
子どもへの話し方
女の子と男の子の聞こえ方の差は、子どもに対してどのように話せば良いかということにも大きくかかわってきます。
男性が自分で普通だと感じる音量で話していても、女の子にとっては怒鳴っているように聞こえることがあります。一方、女性が自分では普通だと思って話していても、男の子には聞き取りにくいということが起こり得るわけです。

性差を認識しないと
米国の心理学者のL・サックスは、学校で女性の先生の声がよく聞こえないために注意欠如多動症に間違えられた男児を報告しています。
こんな悲劇を避けるため聴覚の性差を十分に認識する必要があります。
人類の進化の影響か
女性は微妙な音程の違いを敏感に感じ取ることで、赤ちゃんの泣き声から何を訴えているのかが判断でき、夜間の赤ちゃんの泣き声にも適切に対応することができます。
男性は微妙な音程の違いがわからないため、夜間は寝たままであることが多くなります。
音痴の男性は女性の音痴の約8倍といわれています。これらは人類の進化に伴う環境の影響と関連しているようです。

山形徳洲会病院院長
笹川 五十次(ささがわ いそじ)
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。
