山形コミュニティ新聞WEB版

乳腺外来の現場から・内科の現場から

乳腺外来の現場から/男性乳がん

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 2023年、歌手のブラザー・コーンさん(70)が乳がんに罹患(りかん)していることを自ら公表して話題になりましたね。そうです、乳がんは女性だけの病気ではなく、男性にも発症するのです。

割合は低いものの

 実は、男性にも乳頭下に少ないながらも乳腺(にゅうせん)組織が存在します。従って、男性が乳がんにかかっても何ら不思議はないのです。ただその割合は約1%。乳がんにかかる女性の割合が9人に1人なのに対し、男性は1000人に1人です。

 また発症年齢は女性は45歳前後がピークですのが、男性は60~70代に多くみられる傾向があります。

しこりや出血など

 自覚症状は乳頭や乳輪付近のしこり、一定期間続く乳頭からの出血などですが、痛みを伴わないケースがほとんど。女性の乳がんは様々な原因が考えられますが、男性乳がんの大きな要因の一つに、後述の女性化乳房症というものがあります。

 治療は基本的に女性と同じです。手術、放射線、ホルモンや抗がん剤の投与など、ステージに応じて行います。

女性化乳房症とは

 男性乳がんと間違えやすいのが「女性化乳房症」です。その名の通り、男性の乳房が女性のように大きくなる病変で、肥満で乳房が大きくなるのではなく、薬剤の副作用や肝機能障害などで乳腺組織が発達してしまうことで生じます。

 自覚症状の多くは、やはり乳首や乳輪付近のしこりですが、こちらは押すと痛みを伴うことが多いです。

 乳がんを疑って病院に来られる患者さんの大半はこの女性化乳房症で、基本的には自然に軽快します。

安易に自己診断せず

 ただ乳首や乳頭付近に違和感があっても「たぶん女性化乳房症だから大丈夫」という自己診断は禁物。男性でも違和感があれば乳腺外来を受診するようにしましょう。

うるしやまクリニック院長 院長

尾形 貴史(おがた・たかし)

2007年山形大学医学部卒業。同大付属病院、公立置賜総合病院、山形済生病院などを経て現職。日本乳癌学会乳腺認定医。2025年2月に「うるしやまクリニック」開院。

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