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健康講座・医学のうんちく

マルチビタミンと健康効果

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 多種類のビタミン類を組み合わせ、錠剤やカプセル型のサプリメントにした「マルチビタミン」が豊富に出回っていますが、それらの健康効果ははっきりしていません。

心血管疾患を予防せず

 米ハーバード大の研究グループは2012年、約1万5000人の男性医師(平均年齢64.3歳)を対象に、マルチビタミン服用群と偽薬服用群に分けて心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳血管障害など重大心血管疾患の発生と死亡リスクについて約10年間追跡調査しました。

 その結果、マルチビタミンを毎日10年間服用しても心血管疾患の予防効果がないことが分かりました。

死亡率低下効果も?

 また同グループは同年、前述した対象の全がんの発症率がマルチビタミン群で偽薬群に比べ約8%減少することを報告しています。ただ、総死亡率やがん死亡率では有意差を認めませんでした。

寿命改善にも疑問符

 米・国立衛生研究所の研究グループは24年、登録時にがんや慢性疾患の既往歴がない平均年齢61.5歳の男女約39万人を対象にマルチビタミン毎日使用群、毎日でない使用群、非使用群に分類し、全死亡リスクについて約20年以上にわたり追跡調査しました。

 その結果、マルチビタミン使用と全死亡リスクの低下には関連を認めませんでした。慢性疾患既往歴がない健康な成人では、マルチビタミンの定期摂取による寿命の改善を指示する裏付けは見つかりませんでした。

適度な摂取を心がけて

 基本的なマルチビタミンの摂取が健康を害することはまずありませんが、栄養強化食品や飲料を摂取している場合は摂取量が上限値を超えないよう注意する必要があります。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。

山形徳洲会病院

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