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子どもの頭痛
2024年の報告では、体調不良などで不登校になる児童の数は約35万人。児童が訴える体調不良の内容で、頭痛が多いのが気になります。
薬が効かないことも
鎮痛剤を服用すれば頭痛は治ると思われがちですが、実際はそうではありません。片頭痛なら症状の緩和も期待できますが、100%ではありません。年齢にもよりますが、中学生以上ではトリプタン製剤が必要な場合もあります。
片頭痛は最長でも72時間持続する頭痛で、頭痛がある日と頭痛がない日がハッキリしている傾向があります。1カ月に2~5日は頭痛があるものの、頭痛がない日は元気に過ごしているというのも特徴です。
不登校に多い緊張型

これに対し、緊張型頭痛は、残念ながら鎮痛剤が無効な場合がほとんどです。先月行われた日本頭痛学会でも、不登校の原因となる頭痛の大半が慢性緊張型頭痛だったと報告されています。
緊張型頭痛の特徴としては、毎日のように頭痛が起きる、休みの日は頭痛がないなどのほか、片頭痛と違って頭痛がいつ始まっていつ終わるか境界がハッキリしないのが特徴です。
原因にストレスが
現代の小・中学生は学校生活に加え、塾通いや習い事などでストレスを抱えやすくなっています。もともと片頭痛持ちだった子どもに疲れやストレスから緊張型頭痛が加わることもあります。
薬が効かない頭痛が増えた場合は、緊張型頭痛が加わった可能性が高いとみられます。
正しい生活習慣を
まず大切なことは十分な睡眠時間と規則正しい生活リズムを心がけることです。生活習慣を見直しても頭痛が続くようなら、お近くの頭痛外来を受診しましょう。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。
