一目ぼれ
俗にいう〝一目惚れ〟は、女性より男性に多く見られます。
生存競争を勝ち抜くため
生きとし生けるものにとって、エサを見つけたらすぐに自分のものにするという行為は、生きていくうえでの最優先事項。「好き」「嫌い」の判断も同様で、瞬時に判断しないと生存競争を勝ち抜くことはできません。限られた繁殖期に素早くパートナーを見つけて交配しないと、子孫を残すことはできません。
あれこれと目移りして求愛行動をとらないと、ほかの雄に奪われてしまいます。そのため、求愛する立場にある雄の方が一目ぼれしやすくできているのです。
早稲田大の調査でも
早稲田大の森川友義教授は、男女それぞれの学生を路上に立たせ、目の前を通過する異性の魅力度を「外」「中」「ど真ん中」の3つに瞬間的に判定させるという興味深い実験を試みました。
それによれば、「ど真ん中」(=一目ぼれ)の確率は女性の0.05%に対し男性は1.2%でした。男性は生物学的に視覚から得る情報を重視するため、女性よりも一目惚れしやすいということが証明されました。
男の哀れな〝性〟

人間の第一印象は約0.1秒で形成されるということが多くの研究で示唆されており、1秒もあれば話をせずとも印象が決まってしまいます。合コンやお見合いパーティーに臨む時には最初が肝心です。
また、男性の脳は美しい異性を見た時、無意識のうちに眼球を動かして追ってしまうという習性があります。パートナーと一緒の時でも、美人を見つけると自分の意志とは関係なく眼球が動いてしまいます。
そんな時、パートナーは腹を立てるのではなく、哀れな生き物だと思って大目に見てあげてください。

山形徳洲会病院院長
笹川 五十次(ささがわ いそじ)
1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。
