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健康講座・医学のうんちく

別れの始まり(下)

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 見下しは、あざ笑う、皮肉や嫌味を言う、軽蔑(けいべつ)のまなざしを送るなどいろいろな形で現れます。

会話を壊す「見下し」

 「君の言っていることは間違っている」「信じられない」「ありえない」などといった言い方は、自分の方が立場が上という態度を示し、相手は見下されたと反発を強めてしまいます。

 見下しは会話をぶち壊す決定打です。ひとたび見下しにつながる言い方をどちらかが発すると、最初の話はもうどうでもよくなり、お互いに口論に勝つための口撃へと発展してしまいます。

互いに引っ込みがつかず

 特定の行為が対象ではないあいまいな批判、批判された側のそれに対する防戦、さらに見下しへと発展し、口論がエスカレートしてお互いに引っ込みがつかなくなってしまうパターンは古今東西に共通しています。このパターンをたどる夫婦は、離婚の危機がすぐそこに迫っています。

 愛し合って結婚してはみたものの、このパターンが繰り返されるとお互いのプライドは傷つき、それがトラウマとなって心の中にあった相手への愛情が薄れていきます。

良好なカップルの場合

 夫婦生活が良好なカップルは、口論の途中で、「冗談を言う」「変な表情を作り、笑いを誘う」「言い過ぎだった」といった具合に、会話がそれ以上悪い方向にエスカレートしないよう会話の修復を試みていました。

 会話の修復の試みの効果があるうちは、夫婦の危機も救いようがあるのですが、修復の試みをしなくなったり、しても効果を発揮しなくなると離婚は間近となります。

周囲にもいるはず

 周囲を見渡しても、若くして結婚しながら早くに離婚するカップルがなんと多いことか。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。

山形徳洲会病院

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