HPVワクチン 山形、接種率全国1位
医療従事者向けサイトを運営する「エムスリー」によれば、子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの都道府県別の接種率(5月時点)で、高校1年生相当の女性で最も高いのは山形の67.3%でした。ちなみに最も低かったのは沖縄の17%でした。。
接種ムードが浸透
ご存知のように、HPVワクチンは定期接種として小学6年~高校1年は無料で受けられます。国の積極的勧奨の中止で接種機会を逃した人を公費で救済する「キャッチアップ接種」は昨年度末までが期限でした。
県内では多くの市町村が対象となる女性向けに、封書に加え、手に取った瞬間に内容が分かる葉書での通知を行ったと聞いています。
特に高校・専門学校・短大・大学生の女性の間では「友達が接種してるから私も受けたい」というムードが強まったようです。

救済制度は続く
ただキャッチアップ接種の対象となる23歳前後の女性の接種は十分でなかった気もします。この年代の方々は健康な方が多く、病院に足を運ぶ機会が少ないこともあるでしょう。
それを見越し、私たち医療機関もこれらの方々の利用が多いと思われる美容院や歯科医院、スーパーなどにポスターを貼ったり、パンフレットを置いたりして啓発に努めたのですが…。
全3回の接種が必要
HPVワクチンは全3回の接種が必要です。キャッチアップ接種の対象者で、3月末までに全3回の接種が終わっていない方はいらっしゃいませんか?
そんな方も、3月末までに1回でも接種していれば残り2~3回の接種は今年度中なら無料です。思い違いされている方もいるはずですので、お忘れなく。
初回接種が15歳未満であれば、全2回の接種でも可能です。夏休み中に接種の計画をされてはいかがでしょう。

真理子レディースクリニック 院長
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。
