じんましん
「寒い日には肌がかゆくなり、赤く腫れてしまう」「風呂上がりや運動後に体に小さな発疹ができる」――。今回はこうした『じんましん』のお話です。
じんましんはありふれた病気で、約20%の人が一生のうち一度は経験するといわれています。実はじんましんにもいろいろなタイプがあり、原因や対処法が全く異なることがあります。代表的なのは次の2つです。
寒さが原因で発症
1つは「寒冷じんましん」で、冷たい風や水に触れた部位に腫れやかゆみが出るタイプのじんましんです。特に冬の屋外やプールの後などに症状が現れやすく、重い場合は呼吸困難や血圧低下など全身症状(アナフィラキシー)を伴うこともあります。
原因は皮膚の表面が急激に冷やされる結果、アレルギー反応を引き起こす物質(ヒスタミンなど)が放出されることにあります。アレルギー体質の人に多く、年齢や性別を問いません。
汗をかく場面でも

もう1つは「コリン性じんましん」で、汗をかく場面で起こるじんましんです。運動や入浴、緊張などで体温が上がると胸や腕、顔などに細かい発疹が出て、ピリピリ・チクチクとしたかゆみや痛みを感じます。主に30歳代までの比較的若い方に多く見られます。
原因は体温の上昇に伴い分泌されるアセチルコリンという物質が皮膚の神経や細胞を刺激するためと考えられています。
繰り返すようなら受診を
どちらのタイプも症状が軽ければ市販の抗ヒスタミン薬などで対応できますが、繰り返す場合や日常生活に支障がある場合は、医療機関での相談がおすすめです。
生活の工夫や必要に応じた治療で、症状の改善が期待できます。

十日町ようへい内科クリニック 院長
中本 洋平(なかもと ようへい)
1978年(昭和53年)、岩手県盛岡市生まれ。新潟大学医学部を卒業後、新潟市民病院などで内科医として研鑽を積む。2024年10月に十日町ようへい内科クリニックを開業。総合内科専門医、感染症専門医、Japanese Medical Emergency Care Course(JMECC)インストラクター。
