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真理子先生の女性のミカタ

子どもの受動喫煙防止条例

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 2020年10月の山形市議会で「子どもの受動喫煙防止条例」が全会一致で可決され、21年3月1日から施行されているのをご存知ですか?

施行は3月1日から

 山形県では18年12月に東北初となる受動喫煙防止条例が制定されていますが、子どもの受動喫煙防止条例は文字通り、受動喫煙による健康への悪影響から子どもを守ることを目的にしています。
 受動喫煙では 子どもの中耳炎、アレルギーや気管支喘息などのほか、様々な疾患が増えることが報告されています。

条例の骨子は?

 条例の骨子は、①市民は受動喫煙による健康への悪影響に関する理解を深め、子どもの受動喫煙防止に努める②事業者は、管理する施設において子どもの受動喫煙防止に努める③喫煙者は、子どもが同乗する自動車内や公園で子どもの受動喫煙防止に努める――などです。

意識を共有しましょう

 条例には、子どもの受動喫煙を虐待とする諸外国のような罰則規定はありません。それだけに、子どもには健やかに育って欲しいという願い、子どもは社会の宝という認識を市民1人ひとりが共有することが大切です。
 幼いころからタバコの煙が避けられない環境にいたとしても、子どもは自分で声をあげることはできないのですから

東北以北では健闘

 県内の小学校ではタバコの害を学ぶ「防煙教室」が活発に開催されており、その効果もあってか、表に示したように喫煙率上位が並ぶ北海道・東北の中にあって山形県は最下位と〝健闘〟しています。
 特に女性の喫煙率が全国40位と低いのは喜ばしいかぎりです。ただ妊娠が分かる以前の段階で赤ちゃんに有害物質は移行しています。やはり妊娠を意識したら禁煙を心がけましょう。

伊藤真理子先生

真理子レディースクリニック 院長

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1986年山形大学医学部卒業。山大病院、篠田病院を経て2005年6月に真理子レディースクリニックを開業。日本産婦人科学会認定産婦人科専門医。

真理子レディースクリニック

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