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荒井幸博のシネマつれづれ

事故物件 恐い間取り

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夏の終わりに涼める作品

 殺人、自殺、火災などがあったいわくつきの部屋に実際に住み続けている芸人がいる。この映画は“事故物件住みます芸人”として活動する松原タニシによるノンフィクション「事故物件怪談 恐い間取り」を、ジャパニーズホラー映画の巨匠として世界に知られる中田秀夫監督が映画化した作品。

<荒井幸博のシネマつれづれ> 事故物件 恐い間取り

 山野ヤマメ(亀梨和也)は売れないお笑い芸人で、アルバイトに追われる生活を送っている。そんなある日、制作会社のプロデューサー(木下ほうか)から事故物件に住んでみるという企画を持ちかけられる。


 ヤマメにとってはテレビに出演できる千載一遇のチャンス。迷わず引っ越してみると、すぐに異常なことが判明。不気味な白い物体が現れたり、奇妙な物音がしたり…。それでも恐怖と引き換えにヤマメはテレビ番組レギュラーをつかむ。

 調子に乗ったヤマメは、新しい事故物件を探しては移り住むようになる。その都度、恐怖体験に見舞われるが、お笑い芸人として売れていくことに大満足のヤマメ。だが恐怖、危険が自分にだけ及ぶのならまだしも、大切な人にまで――。

 主演の亀梨は、これまでのイメージとは全く異なる役柄だが、意外にも“関西の売れない芸人”を好演している。中田監督も「亀梨さんが面白いアイディアをどんどん提案してくれた」と絶賛、「亀梨さんが劇中で住む4部屋の、極上の地獄巡りを楽しんで欲しい」とPRしている。


 このほか奈緒、瀬戸康史、木下ほうか、MEGUMI、真魚、瀧川英次、宇野祥平、高田純次などが脇を固める。  
   
 ホラー映画は映像だけでなく、音楽も恐怖をあらわす重要な要素。その音楽担当は現在大ヒット中の「コンフィデンスマンJP プリンセス編」に続き、河北町出身の井上司さんがドラムを担当するインストゥルメンタル・ジャズ・トリオ「fox capture plan」。得も言われぬ不協和音など恐怖を増幅する役割を見事に果たしている。

 

シネマパーソナリティー

荒井あらい 幸博 ゆきひろ

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。


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