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荒井幸博のシネマつれづれ

〈荒井幸博のシネマつれづれ〉五十年目の俺たちの旅 1月9日(金)全国公開

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人生の終盤もやはり青春!

 1975年に日本テレビ系列で放送された青春ドラマ「俺たちの旅」を初めて映画化したのが本作。

 50年前のドラマでは、中村雅俊(当時24歳)演じるカースケは大学のバスケットボール部主将で、世の中の常識に縛られない自由奔放な生き方を貫こうとする。

 田中健(24歳)演じるオメダはカースケの同級生で部活も一緒だが、自分に自信が持てない性格。秋野太作(32歳)演じるグズ六はカースケの小学校の先輩で会社員だったが、現在は失業中の身。この3人が同じ下宿で共同生活を送り、就職、恋愛など人生の壁にぶつかりながらも、優しさと友情で乗り越えていくという設定だった。

 75年のドラマ以降、中村ら3人を主演に据えて「十年目の再会」「二十年目の選択」「三十年目の運命」とスペシャルドラマが制作され、人気を博してきたが、メイン演出の斎藤光正監督が2012年に他界したことにより四十年目は作られずにいた。それを惜しんだ脚本家の鎌田敏夫が中村を監督に指名して50周年記念で映画化が実現したというわけ。

 あれから50年。3人は70代になり、カースケは小さな町工場の社長、オメダは地方の酒造会社の婿養子となり、市長を3期務めて県知事候補者に。グズ六は妻のお陰で介護施設の理事長の座に収まっていた。

 そんな中、オメダが、亡き母が暮らしていた東京・神楽坂の家を買い戻し、市長の座や家族を捨てて独りで暮らすと言い出した。また、カースケとオメダのマドンナ的大切な存在だったが、20年前に病死したはずの洋子(金沢碧)が生きているという驚きの情報が飛び込んでくる――。

 ドラマシリーズからの映像もふんだんに盛り込まれ、高校3年時にドハマリした当時を懐かしく思い出した。3人が歩んできた人生がたっぷりと楽しめると同時に、まだまだ彼らの旅は続く予感がするのだった。

 この先、「六十年目」「七十年目」の3人の旅も観たいものだ。

シネマパーソナリティー

荒井あらい 幸博 ゆきひろ

1957年、山形市生まれ。シネマパーソナリティーとして多くのメディアで活躍、映画ファンのすそ野拡大に奮闘中。現在FM山形で「荒井幸博のシネマアライヴ」(金曜19時)を担当。

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