相続の基礎知識/(78)確定申告と不動産相続
今年も所得税の確定申告の時期になりました。申告期限は2月16日から3月16日までです。そこで今回のテーマは、被相続者が亡くなり、相続財産が不動産で複数の法定相続人がいる場合、誰が確定申告を行うかという問題です。
全相続人に申告義務
相続が発生し、遺産分割協議がまとまるまでの間、賃貸マンションやアパートなどの不動産から生じる賃料収入を誰が申告すべきか、迷われる方は少なくないでしょう。
結論から申し上げると、遺産分割協議がまとまるまでの不動産所得は「各相続人が法定相続分に応じて取得したもの」とみなされ、それぞれが確定申告を行う必要があります。不動産は法定相続人全員の共有状態にあるという考え方です。

協議がまとまるまで
また協議の結果、特定の相続人がその不動産を相続することになったとしても、相続開始から分割決定までの間の所得について、遡ってその人のものにはなりません。
つまり、 法定相続人がそれぞれの相続分に応じて所得を計算する必要があります。
遺言書がある場合
注意点として、遺産分割協議がまとまった後に「実は長男がすべて相続することになったから、これまでの分も長男が修正申告する」、または最初から「長男がすべて取得したものとして確定申告する」という処理は認められていません。
分割後の所得は承継者が申告しますが、分割前の所得はあくまで共有期間の所得として扱われることになります。
遺言書があり、例えば長男がすべて相続することになっているような場合は、最初から長男のみが不動産所得を申告すればいいことになります。
準確定申告にも注意
また、亡くなった人の確定申告(準確定申告)も行う必要がある場合がありますので、心当たりのある方は信頼できる税理士に相談しましょう。

鈴木僚税理士事務所 税理士
鈴木 僚(すずき りょう)
1988年(昭和63年)山形市生まれ。2018年に税理士資格取得。趣味はドライブ。
