未破裂脳動脈瘤
脳の血管の一部がこぶのように膨らんだ状態を「未破裂脳動脈瘤(みはれつのうどうみゃくりゅう)」といいます。聞きなれない病名かと思われますが、実は成人の約2~5%に認められ、決して珍しい病気ではありません。
過度の心配はご無用

頭痛やめまい、手足のしびれといった症状もなく、脳ドックなどの検診で見つかるケースが多いです。突然の診断に「破裂→くも膜下出血!」と不安を募らせる方もいらっしゃるでしょう。
ただ瘤(こぶ)の大きさ、形、できている場所、年齢、血圧などによって破裂のリスクは大きく異なります。大きさが2~3ミリ程度で安定している場合は、治療せずに定期的なMRI検査などで経過観察するのが一般的です。
明らかな原因は不明
瘤ができる原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要因や高血圧、喫煙、過度な飲酒などが考えられています。
まれに頭部外傷によって脳血管に傷がついた時に発症することがありますが、よほどの重傷でない限り発症には影響しないとされています。
治療が必要な場合も
ただ、5~7ミリの大きさがある場合や、形がいびつな場合、くも膜下出血の家族歴がある場合などは破裂リスクがあり、治療が検討されます。
治療には、頭を開かずに行う「血管内治療(コイル塞栓術(そくせんじゅつ))」と、開頭して行う「クリッピング術」があります。どちらも安全性の高い治療ですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。治療法は一人ひとりの状態に応じて慎重に選択されます。
定期的に検診を
日常生活で気をつけたいのは、血圧管理、禁煙、過度な飲酒を控えることなどです。心身にストレスをためないことも大切です。
未破裂脳動脈瘤は、有事を未然に防ぐことができる段階ともいえます。脳ドックを定期的に受診して脳の健康を保っていきましょう。

ミロク脳神経リハビリクリニック 院長
齋藤 佑規(さいとう ゆうき)
1980年(昭和55年)酒田市生まれ。酒田東高から山形大医学部に進み、脳外科医として山大医学部付属病院、山形済生病院などでの勤務を経て2023年9月にミロク脳神経リハビリクリニックを開業。日本脳神経外科学会専門医・日本リハビリテーション医学会専門医。
