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健康講座・医学のうんちく

五感の男女差(1)

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 味覚、視覚、聴覚、嗅覚(きゅうかく)、触覚を「五感」といいます。五感にはいずれも男女差があり、一般に女性は男性より敏感とされます。今回は味覚の男女差を考察します。

甘味を好む女子

 味覚は甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五味に分けられ、人間は舌の表面にある受容体でそれらを認識しますが、女性は男性より受容体を多く持っていることが分かっています。

 デンマーク・コペンハーゲン大の研究グループによれば、女の子の方が男の子より味覚に優れ、男の子が女の子と同じように味覚を感知するには、酸味で10%、甘味で20%多く食材を口にする必要がありました。

 米・イェール大の研究グループは、通常のミルクに糖分を加えて甘くした時、女の赤ちゃんは24%も多く飲みましたが、男の赤ちゃんは6%しか多く飲まないことを報告しています。

ラットも同様

 ラットも甘党で、水道水とブドウ糖水では雄も雌もブドウ糖水を好んで飲みます。米・カリフォルニア州立大の研究グループによれば、ラットでも思春期以降になると雌(めす)の方が雄(おす)より甘味に強い嗜好を示します。これは女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが同時に作用するからと考えられます。

 ただ、いったん甘味を好むようになると、卵巣を摘除してホルモンが分泌されなくなっても甘味好きは継続します。ところが、妊娠期間中や授乳期のようにエストロゲンよりもプロゲステロンが多い状態になると甘味を好まなくなります。

ホルモンが影響?

 一方、大人になった雄ラットの精巣を摘除しても甘味好きにはなりません。

 このようなホルモンバランスの違いが甘いものに対する嗜好(しこう)に性差をもたらすようです。

山形徳洲会病院院長

笹川 五十次(ささがわ いそじ)

1982年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業、86年同大学大学院修了後、ハワイ州立大学医学部を経て、04年に山形徳洲会病院副院長、08年から現職。日本泌尿器科学会認定泌尿器科専門医、日本透析医学会認定透析専門医。

山形徳洲会病院

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