泌尿器科の検査
泌尿器科では尿路や性器の異常、排尿機能を調べるために専門的な検査を行います。代表的な検査をご紹介しましょう。
基本は尿検査
基本は「尿検査」です。尿検査には試験紙で尿中のたんぱくや糖などの有無を調べる「尿定性検査」と、血球などの固形成分を分析する「尿沈渣(にょうちんさ)」があります。尿沈渣では自動定量分析が可能で効率的な「フローサイトメトリー法」が普及してきています。
尿検査は泌尿器科では基本となる検査ですが、そこから得られる情報は多く、糖尿病や腎炎(じんえん)、膀胱(こうぼう)がん、尿路結石などの早期発見につながることもある重要な検査です。
膀胱鏡と尿流測定
「膀胱鏡(ぼうこうきょう)」は膀胱がんや結石の有無を確認するための内視鏡検査です。硬性鏡と柔らかいファイバースコピーがあり、特に男性の膀胱の観察にはファイバースコピーを使います。
「尿流測定」は排尿時の勢いや尿量、排尿時間を機械で記録し、データとグラフが得られる検査です。前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)や神経因性膀胱などの排尿状態の評価に役立ちます。見た目は普通の洋式トイレで、自然に排尿するだけで検査が完了します。

超音波検査
「超音波検査」は放射線被曝(ひばく)もなく、ゼリーを塗ってプローブを当てるだけで簡単にできる検査です。腎臓、膀胱、前立腺、精巣などを観察し、腫瘍や結石、前立腺の大きさや形状などがわかります。
陰嚢(いんのう)内の超音波では、精巣腫瘍(せいそうしゅよう)や陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)の有無、血流の状態を確認することで精巣捻転(せいそうねんてん)かどうかも判断できます。
気軽に受診を
泌尿器科を受診するのはなんとなく恥ずかしいとか、怖いなどとお感じの方もいらっしゃるようですが、検査は短時間で、身体への負担も少ないものがほとんどです。
気になる症状がある方は、お近くの医療機関で受診しましょう。

いしい腎泌尿器科クリニック 院長
石井 達矢(いしい たつや)
1999年(平成11年)山形大学医学部卒業。山形大学附属病院、山形市立病院済生館、公立置賜総合病院勤務などを経て、2020年5月いしい腎泌尿器科クリニックを開業。医学博士。日本泌尿器科学会認定専門医。日本医師会認定産業医。
