山形コミュニティ新聞WEB版

脳の四方山話

首の痛み

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 朝、起きた時「首の後ろが痛い」「振り向けないほどつらい」といった経験はありませんか?首の痛みは命に関わる病気が隠れていることがあるので注意が必要です。

寝違い

 首の痛みで最も多いのが「寝違い」で、不自然な姿勢で寝たり、冷えたりした場合に、首や肩の筋肉・靭帯(じんたい)が一時的に炎症を起こすことによって生じます。

 首を動かすと痛みが走り、左右に動かしづらくなりますが、数日から1週間ほどで自然に改善することがほとんどです。湿布や痛み止め、軽いストレッチで様子を見ても大丈夫です。ただ過度のストレッチはかえって症状を悪化させることがあるので注意しましょう。

筋緊張型頸部痛

 デスクワークやスマートフォンの使い過ぎなどで、首の後ろの筋肉が常に緊張していると「筋緊張型頸部痛(きんきんちょうがたけいぶつう)」と呼ばれる慢性痛になります。予防のためには姿勢の改善やこまめな休憩(きゅうけい)、軽い運動が効果的です。

 軽い痛みだけでなく、腕のしびれや力が入りにくい場合は「頸椎椎間板(けいついついかんばん)ヘルニア」の可能性も否定できませんので、お近くの整形外科を受診しましょう。

椎骨脳底動脈解離

 特に心配なのは「椎骨脳底動脈解離(ついこつのうていどうみゃくかいり)」という病気が隠れている場合です。これは首の後ろの動脈の壁の一部が裂け、脳梗塞や脳出血を起こす可能性がある状態です。

 症状としては突然の強い首の痛みや後頭部痛、めまいやふらつきでうまく歩けない、ろれつが回らない、手足が動かしにくい、などです。

 比較的若い世代にも起こり、「割りばしを割った時」「子どもを抱っこした時」など軽い動きから発症することもあります。

医療機関に相談を

 このように首の痛みにはいくつかの種類があり、症状があれば安易に自己判断することなく、早めに医療機関に相談しましょう。

ミロク脳神経リハビリクリニック 院長

齋藤 佑規(さいとう ゆうき)

1980年(昭和55年)酒田市生まれ。酒田東高から山形大医学部に進み、脳外科医として山大医学部付属病院、山形済生病院などでの勤務を経て2023年9月にミロク脳神経リハビリクリニックを開業。日本脳神経外科学会専門医・日本リハビリテーション医学会専門医。

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