季節の変わり目にご注意を~群発頭痛~
頭痛の中で、最も痛みが激しいといわれるのが群発頭痛。心筋梗塞(しんきんこうそく)、尿路結石と並ぶ三大痛の一つとされ、別名「自殺頭痛」からも、そのすさまじさがうかがえます。
えぐられるような痛み
群発頭痛は①片側の目の周りと目の奥のえぐられるような激しい痛み②決まった時間に痛み始める③頭痛がある時間だけ涙、鼻水、鼻づまり、目の充血、まぶたが腫(は)れて垂れ下がる――などが典型的な症状です。
約1~3カ月間、1回30分~3時間の痛みがほぼ毎日続きます。この「群発期」を過ぎると、その後はウソのように起きない「寛解期(かんかいき)」に入り、これを繰り返します。。

体内時計の異変?
残念ながら、現在のところ原因は特定されていませんが、毎日ほぼ同じ時間、特に睡眠中や明け方に集中する傾向があることから、「体内時計」がある視床下部の異変も推察されています。
実際、体内時計の乱れを改善する効果がある薬剤(メラトニン)を使用した場合、夜間の群発頭痛が減少したことが報告されています。
治療法は?
治療法ですが、発作時の痛みを和らげる急性期治療と、回数を減らすための予防治療を組み合わせます。
発作が起きた場合の治療法はトリプタンの注射や内服薬の服用が基本で、酸素100%の「純酸素」の吸引で改善することもあります。
お悩みの方は最寄りの医療機関に相談されることをお勧めします。一度受診すれば、1年後、2年後に発作が起きてもスムーズに対応してくれるはずです。
規則正しい生活を
自分でできる予防としては、群発期には飲酒、喫煙を控え、入浴を避けること。規則正しい生活を心がけるようにしましょう。また家族や同僚が病気を理解してあげることも大切です。

TFメディカル 嶋北 内科・脳神経外科クリニック 医師
佐藤 篤(さとう あつし)
2002年山形大学医学部卒業。山大医学部附属病院、山形済生病院、済生館病院などを経て現職。日本脳神経外科学会認定脳神経外科専門医。医学博士。
